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第三章

3-73 神様って

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 武神パリティリスは冒険者の中ではかなり有名な神様の一人らしい。
高ランクの冒険者を目指す人の殆どが彼を信仰しているというのだ。

だが...

「武神パリティリスは男の中の男って感じの神様のはず!」

「なんなんだ?!アレは?!!本当に武神なのか?!!」

どうやら神様を見た事ない人たちばかりなので神殿などで聞いた神話などから想像した自分達の武神のイメージをして拝んでいたようで...当の本人を見てかなり幻滅...というかギャップというか...かなり苦しんでいる様だった。

私達兄弟はその点神様とかあまり信じてなかったし、出会った時からあんな感じだったのでどって事がない。

だから大の大人たちがあーだ、こーだと言って悶えている姿を見て少なからずも引いている状況だった。

『大丈夫か?あんたら武神ってだけでカッコいいイメージばかりもってたんだろう?』

ブルーム兄さんの言葉が図星だった様で返事に詰まっていた。

それを見てラース兄さんが深いため息を吐きながらトドメを刺しにいく。

『情けないですねぇー。貴方達の信仰心はそんな物なんですか?神様なんて見たことないんでしょう?会ったこともない人なのに勝手な想像して崇められるのもかえって迷惑なものですよ。彼は産まれた時からああなのですから勝手に落ち込まれるのも失礼なことですね。』

ラース兄さんの言葉にグフっとダメージを受ける保護者達。

『あんな喋り口調だけど武神だけあってかなり強いわよ。私とブルーム兄さんなんか何百回と彼と戦って勝てたの一回だけなのよ。
 本当に武神だけあると思うわ。まぁ~あの喋り口調だけどあれも慣れたら癖になるわよ。』

私がそう言うと両親は驚いていた。

『えっ!あんた達彼と戦ったの?!』

『そんななんて無茶を!』

両親の言葉にローダンが笑顔で返事をする。

『えっ?殆どスノー姉さんとブルーム兄さんが戦ってたけどね。なんかセンスがあるって褒められてみっちり鍛えられてたよ。』

ローダンのその言葉に両親も保護者達も言葉を無くしていた。

『ラース兄さんなんかタルロスに修行付けてもらってたもんね。ローダンはナチョマだったよね?』

『ああ。あの人酒ばっかり飲んでたよ。でも全く酔った感じはしないし、頭も冴えていたよ。』

『あの人苦手ぇ~。実力は認めているけど...性格が陰湿だよぉ~。』

『そうかなぁー。どの神様も私達のためを思ってしてくれてたんだから感謝しないとね。本当ならこんな事ないんだから。』

私がそう言うと両親と保護者達は大きなため息をついたと思ったら何やら相談し出した。








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