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第三章

3-52 あと一歩なんです

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 違う空間で修行を受けているのにお互いの結果は全く同じだった。
お互いにあと一歩がかなり遠かったのだ。

私とブルーム兄さんはなんとかあと一歩というところまで神様を追い詰める事ができて来ているのだが寸前で攻撃を交わされる。

酷い時は上手く交わされるうえに反撃を喰らうしまつ。

ラース兄さんもギリギリの攻防戦までできるようになっていた。

がもう少しで大将の首がとれると言うところで反撃をくらい大敗をきしていた。

まだ一勝も取れていない。
引き分けはふえてきたんだけどね。
本当にあと少しなのだけど...。

思いつく限りのことをやってのけるが...どれも上手くいかない。

上手くいかないがなんとなくコツらしきものを掴めつつあった。

何故なら神様達の反応が少しずつ変わっていっているからだ。
今はそれしか自分達の判断材料はない。

ないからこそ見逃すわけにはいかなかった。

彼らの反応をしっかり観察しつつ私とブルーム兄さんは身体を動かしながら互いの動きを確認し合う。

ラース兄さんは頭を動かしていく。

普段しない動きを組み合わせてみたり、普段考えないことを組み入れてみたり可能性があるならあるだけ試すしかなかった。

でもそれがまた楽しかった。
自分達にまだ可能性があるのだとわかるからだ。

上手くいかなくて悔しくもあったがそれ以上に少しずつ攻略方法を見つけるのが楽しくて仕方がない。

そんな私達の様子を見ながら神様達も気合いを入れ直していくのだ。

《俺たちの修行にここまでついて来れるのは初めてだな。》

《そうね。しかも毎日少しずつだけど着実に強くなってるわ。》

《あれは俺たちの予想を遥かに超えるかもな。》

そんな話がされているとは私達は思わずその日もどうやろうかと作戦をたてていた。

『スノー、どうする?』

『そうねぇ...明日は私がこうするから兄さんはこうしてくれる?
それでダメだったら...。』

『ヨシ!それでダメなら俺がこうするからスノーはこうするか?』

『いいわね!それで行きましょう!』

別の場所ではラース兄さんが

『クソ...この戦略も駄目か...。ならアレとコレとソレをこうして...あとコレも足して...いや、コレではこうなりそうだから...こうする方がいいのか?』

地面に戦略を書きながら今までのやり取りを思い出して自分に足りない物を模索していたのだ。

ローダンはまだゆっくりと眠っていた。
全く起きる気配はなかった。
まだまだ魔力の回復ができてないのもあるが、本人が起きる気がないのもあるからだ。




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