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第三章

3-29 馴染みのメンバーが揃ったので

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 部屋の中に重苦しい空気が流れ出した頃だった。
部屋の外から賑やかな声が聞こえだした...気配と声からしてローダンとローダンに振り回されながら連れてこられた二人だろう。

張ってあった結界をなんなくすり抜けてローダンはボロボロになった二人を引き連れて戻ってきたのだ。

本来ならそんな扱いをすれば処罰されるのに...さすが私の弟だ。

彼らも私達相手に対してはそんな事をしないのは百も承知だが...毎回憐れだなぁーと人ごとの様に思いながら見ていると、よれよれとなったギルマスが私を見て声をかけてくる。

「おい!お前!どんな躾をしてんだ!陛下と話をしていたら急に割って入ってきたと思ったら"ヤッホー!ちょっと来て!"って言うただけで俺たちを担ぎ上げたかと思ったらここまでモーースピードで飛びやがって!
もう少しで、俺も陛下も花畑渡る所だったぞ!」

よれよれの割には元気に叫ぶギルマス。
毎度私達に振り回されているだけあってタフさがましたのだろうか?

そんなギルマスを放置して私は満面の笑みで"ただいま"という可愛い弟と頭を撫でながら

『おかえり。ローダン。無事に帰ってきて安心したわ。おっさん二人も抱えて重たかったでしょう?姉さんのお菓子も食べていいわよ。ゆっくりしなさい。』

そう言って自分の目の前に手付かずのまま置かれてあるお菓子を弟に渡したのだ。

それを見てギルマスと未だにヘロヘロの王様は大きなため息をついていた。

その光景を目が裂けないのか?と思うぐらい見開いて見つめるヤマトさん達。

あの重苦しい空気も一転していつもの空気が部屋の中に流れるのを感じてから私は二人のお茶とお茶菓子の準備をしに行ったラース兄さん達の代わりにヤマトさん達に声をかけた。

『ごめんなさいね。お見苦しいもの見せて。こちらの山賊見たいな風貌の人が我らが頼りにしているギルマスで、こちらの上質な服を着てよれている人がこの国の国王陛下です。』

私の紹介に二人からは苦情があったが無視してやった。
ヤマトさん達は唖然として私達を見つめていると、お茶とお茶菓子の用意をして戻ってきたラース兄さんが、

『気にしないでください。いつもの事なので。我々彼らとは幼い時からの付き合いでして...。特にこちらのギルマスなんか親以上に親しい人なんですよ。』

と営業スマイルを浮かべて補足していた。

その補足説明もどうかと思うがまぁーいいんじゃない?

これで必要なメンバーが揃ったのでヤマトさん達には最初から話をし直してもらう事にした。

この国の裏面を大きく揺るがしかねない話をね...。
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