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第三章

3-17 感謝をしながら依頼をこなします

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 私達兄弟は最近覚えた"隠密"というスキルを使って姿と気配を消して彼らの後ろをついて行った。

この"隠密"というスキルは異世界の人達から教えて貰ったものだ。

大事な友人の保護者の一人であの世界の有名な冒険者の一人でもあるムキファーっていう人から教わったものだ。

このスキルをマスターすれば最小の魔力で長時間姿と気配を消して行動ができるので、敵の多い場所で使うのにとても重宝するスキルだという。

ただ...マスターするまでにかなり大変だと言われ日々の生活の中でも訓練を行なっていた。

それが努力の結果なのだろう、運良く今回兄弟全員で隠密スキルをマスターできたのだ。

お陰で本当に最小の魔力で姿も気配も消す事ができ、どんなに相手に近づいてもバレる事なく行動がとれるのだ。

(ありがとう!ムキファー殿!)

心の中で御礼を伝えて私達は歩みを進めた。

私達の前をいく連中は歩いて街の出入り口である門まで行く。

そして何やら門兵と話をして入り口付近に置いてある馬車を借りて街の外に行くようだ。

そうなると...私達も移動手段を変えないといけないので、一度彼らの側から離れて街の外に出る手続きをすることにしたが、撒かれると面倒なので密かに私は彼らに目印を仕込んだ。

私達が距離を空けている間に彼らは馬車にのり街の外へと向かった。
もちろん密かに仕込んだ目印を付けたままね。

彼らが街の外に出るのを確認して私達も門の方へ向かい門兵に話をする。

『すまない。街の外に出たいのだがいいか?』

ブルーム兄さんが先頭に立ちギルドカードを提示する。
もちろん私達も同じ様に自分達の前にギルドカードを提示して門兵に見せる。

すると...

「これは?!いつも愚息たちがお世話になりなってます。何か依頼での出立ですか?」

「おっ?!ギルマスじゃないですか?!それに皆さんも!うちも娘がお世話になってます!」

なんとこの門兵の人達は私達のギルドの職員の父親だったのだ。

『あら?もしかして依頼受付担当のミリリのお父さんと解体担当のラッチとモッツのお父さん?』

私がそう言うと彼らは頷いた。

『スノーよく覚えてますね...。』

『もちろんよ。大事な従業員よ?それぐらい把握してるわ。確か、ミリリは近々妹が弟が産まれるのよね?』

「あっ、はい!はい!そうです。そんな事まで知っていてくださってるんですか?!」

門兵さんは驚いた表情をする。
私は平然と頷き笑顔で答える。

『あそこで働いてくれている人達は家族も同然だからね。それに、私は兄さん達とは違って時間にゆとりがあるからね、皆と話しながらご飯食べたりしてるからね。』

『そうだね。よく従業員達と話をしている姉さんを見るよ。』

「スノーはお前達が手の回らないフォローをしているだけだからな。従業員達の家族に不幸があったり祝い事があったりしたら、ギルド代表で祝いや包みの手配をしているからな。」

『さすが...できる妹を持つと助かりますね。』

そんな世間話を少ししながら私達は門兵に今回の緊急依頼の事を簡単に説明した。
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