上 下
320 / 664
第二章

2-112 世帯用の寮は...どしたものか

しおりを挟む
 その後も話し合いは続いた。
いつ寮に引っ越ししてくるかやいつから仕事を開始するかをね。
それに沿って勤務表たる物も作成していかなくてははらないからねぇー。

世帯向けの寮はこの話し合いの後建てたらいいので二日後に全員がこちらへ引っ越す事に決まった。

もちろん荷物の運搬や人の移動は私達が担う事になった。

あとこの近辺に食料品店や雑貨屋を開いてもらえないかもギルマスに相談する事にした。

でないと案外ここ不便なので。
毎回私達が彼らを籠に乗せて街まで移動してていうのも面倒だしね。

勤務については、とりあえず一人につき二日まで休みの希望を聞くことにした。
慣れてきたら一人最大五日まで休み希望を聞くように持っていく事にした。

『まだ慣れない仕事ですから色々と不備があるかと思います。
 だからと言ってそのままにするのではなく、ミスをしたならその時点で報告をするようにして下さい。』

ラース兄さんが従業員に伝えると彼らは素直に返事をする。

『ギルマスも言ってたけど、仕事をする上で"報告"、"相談"、"連絡"は大事な事だから皆守る様に。もし守れなかったら...。』

私がためながら皆を見つめると生唾を飲む音が響く。
そして...一人の若手の従業員が皆を代表して私に質問してきた。

「あ、あのう...もし、守れなかったらどうなるんですか?」

彼の言葉に私は満面の笑みを浮かべて自分の尾でブルーム兄さんの首を軽く絞めて見せた。

『こうなるね。』

私がそう言うと彼らの顔から一気に赤みが消えて青白くなる。

それを見て私に首を絞められているブルーム兄さんがくるみしながらも従業員達に、

『いやマジ大事だからね。皆死にたくはないだろう?だったら守ろうね。』

そう言い終わると私は兄さんの首から尾を外した。

まぁ~実際にはするつもりはないがちゃんと警告はしておかないとね。
見るからに警告の効果はあったみたいで、皆恐怖に震えていたよ。

元冒険者もいるのに...情けないなぁーと思うのは駄目かなぁ?

この日は二日後にそれぞれ引っ越しの準備をして街の広場に集合する様に伝えて解散した。

王子達は世帯向けの寮用にと家具類を仕入れてくると行って出かけていった。

残った私達は世帯向けの寮を作るために外へと向かった。

とりあえず...女性用の寮の裏手側に作る事にした。
そこが一番スペースとしては広いからね。

しかし...

『間取りはどうするの?』

ローダンがボソッと確認するかの様に呟くが誰も返事ができなかった。

人間の家族が住むのにどれくらいの広さがいるか検討もつかないからだ。

ここまできてこんな難問にぶち当たるとは思わなかったのだ。





しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

悪役令嬢に転生したので、剣を執って戦い抜く

秋鷺 照
ファンタジー
 断罪イベント(?)のあった夜、シャルロッテは前世の記憶を取り戻し、自分が乙女ゲームの悪役令嬢だと知った。  ゲームシナリオは絶賛進行中。自分の死まで残り約1か月。  シャルロッテは1つの結論を出す。それすなわち、「私が強くなれば良い」。  目指すのは、誰も死なないハッピーエンド。そのために、剣を執って戦い抜く。 ※なろうにも投稿しています

【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!

暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい! 政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。

愛していました。待っていました。でもさようなら。

彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。 やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。

愚かな父にサヨナラと《完結》

アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」 父の言葉は最後の一線を越えてしまった。 その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・ 悲劇の本当の始まりはもっと昔から。 言えることはただひとつ 私の幸せに貴方はいりません ✈他社にも同時公開

【完結】天下無敵の公爵令嬢は、おせっかいが大好きです

ノデミチ
ファンタジー
ある女医が、天寿を全うした。 女神に頼まれ、知識のみ持って転生。公爵令嬢として生を受ける。父は王国元帥、母は元宮廷魔術師。 前世の知識と父譲りの剣技体力、母譲りの魔法魔力。権力もあって、好き勝手生きられるのに、おせっかいが大好き。幼馴染の二人を巻き込んで、突っ走る! そんな変わった公爵令嬢の物語。 アルファポリスOnly 2019/4/21 完結しました。 沢山のお気に入り、本当に感謝します。 7月より連載中に戻し、拾異伝スタートします。 2021年9月。 ファンタジー小説大賞投票御礼として外伝スタート。主要キャラから見たリスティア達を描いてます。 10月、再び完結に戻します。 御声援御愛読ありがとうございました。

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

冷酷皇子に嫁いだお飾り妃、話に聞いていたのと何か違う~デフォルトで溺愛ルートに入ってるんですけど~

恋愛
 ある日、美少女令嬢に転生したことにアリア・ラケウスは気が付いた。しかも、数日後には評判の悪い第一皇子ライン・サーナイトに嫁ぐことになっていた。  とにかく冷酷だという第一皇子、しかも外見も褒められたものではないらしく、転生早々大ピンチに。  しかし、嫁いでみたらあら不思議。とりあえず世間体を保つための結婚だと言われていたのに、冷酷皇子はアリアを溺愛し始めたではないか。至れり尽くせり贅沢三昧を与えてくる皇子に、アリアも皇子の評判を良くするため一念発起することにした。

処理中です...