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第二章

2-103 寮?本当に?

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 国王から言われた空いている土地に従業員専用の寮を建てることにしたのだが...もう兄達、特にブルーム兄さんは建てる建物の構造を考えているらしく話し合いをせずに作業に取り掛かったのだ。

しかも土台部分は一人でさっさと作り上げてしまうし、いつになくやる気にみなぎっていた。

こういう時のブルーム兄さんは無敵状態にあるので任せておいて大丈夫なのでとても助かる。

私達はブルーム兄さんの邪魔にならない様にしてサポート側に徹する事にした。

ブルーム兄さんは黙々と作業に取り組む。

土台を作り上げると建物の骨組みを作り上げていく。

『スノー、そこの木材頼む!ラース!それこっちに持って来てくれ!
ローダンはこっちを頼む!フレアはここをたのむ!』

ブルーム兄さんは次から次へと私達に指示を出してくれるので、私達はそれに従って動いた。

ブルーム兄さんがやる気を出してくれたおかげで、ほんの数時間で寮が完成してしまった。

あとは...家具をいれたらいつでも住める状態となっている。

『どうだ?!俺にしては凄いだろう?!』

ブルーム兄さんは自信満々で私達に問いかけて来たが...そうなるのも頷ける。

今まで手がけた建物の中でも今回のはできがかなり良かった。

土台もしっかりとしており、柱に使った素材も申し分ないものばかりなので特別に結界や補助魔法をかけなくてもある程度の攻撃は自然に弾かれる仕組みとなっている。

壁も湿気に強く、熱にも強く作られているので、この建物を壊せるのは私達兄弟だけ。

五階建てで一人部屋と二人部屋両方備えてあるので住む人たちに任せる感じかな。

部屋にトイレとシャワー室を備えてあり、一階部分には食堂と大浴場、洗濯場も作ってある。

『本当に大盤振る舞いした感じだね。』

思わず私がそう呟くとブルーム兄さんはとても嬉しそうな表情をする。

『スノーにそう言ってもらえると作った甲斐があるぞ!ちなみに耐震性と物理攻撃に対しても耐性をつけてある。
だけど...お前の攻撃に対してはほぼ効果はないから暴れてくれるなよ。』

『ハイハイ。分かってますよ。しかし過剰な効果他にもつけてない?
この建物、玄関入ると毒や麻痺無効、疲労回復効果までつけてるじゃない!』

『えっ?!兄さんそれはやりすぎでしょう?!』

『えっ?そうか??だって住むのは人間やドワーフやエルフだろう?ならこれぐらいしてやらないとなぁ!
 アイツら俺たちより弱いからよ、少しでも頑丈に生きてもらわないとな!』

そう言って照れるブルーム兄さんの顔を私達は呆れた顔で見つめるしかなかった。

そんな話をしていると王子達が沢山の家具類を引き連れて戻って来たのだった。



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