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第二章

2-87 灸をすえました

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 私は最近人間の醜い部分ばかり見ていてかなり人間に対して嫌なイメージしかなくなっていた。

でも、全ての人間がそうでないと知っているから...フレヤの家族やおじさん達やこの国の国王やここにいるギルマスなどいい人達達もいるのを知っているから嫌いになれないでいた。

しかし...いま私の目の前にいるコイツら老害共は別だ。

彼らと他の種族との間で何があったかなんて知らない。
知りたくもない。

たが、実際に私の目の前で他の種族を侮辱する言葉を言ったのだから...。
それは変えられない事実。

私は彼らを見つめながらあくまでも笑顔で彼らに話しかていく。

『ねぇ~。貴方達は何年人間してるのかしら?何年冒険者してたの?
貴方より若い人達ですら他の種族や同族ですら労わる気持ちがあるのにね...。
 ねぇ?貴方達は長い事生きていて何を見てきて、何を学んできたの?
あーあ、学ぶ気もなかったのよの?だからなのね?あんな事が言えたんだ。』

私があまりにも笑顔で淡々と言うものだから彼らは完全にメンタルをやられたのか涙を流しつつお漏らしもしつつごめんなさいや許して下さいと譫言のように呟いていた。

私はそれでも許さずに笑顔で彼らに微笑みかけて幻影魔法をかけて彼らをとことん攻め尽くした。

彼らは私の幻影魔法にて自分達が罵声を浴びせていた者に代わり、自分達が彼らの立場に立って意味もわからない罵詈雑言を言われたり、体罰を受けたりしてもらった。

これに懲りて少しでも彼らが考えを改めてくれたらいいのだけど...。
それでも懲りずに態度や考えをあらためてくれなければ人生を終わらせるのみだ。

私は彼らをそのまましばらく放置して私はギルマス達の元へと向かった。

私が近寄るとフレアは結界を解きギルマスが私の所へと向かってくる。

「スノー...何をしたんだ?」

ギルマスが恐る恐る私に聞いてくる。
彼ら以外には彼らが見ている幻影は見えない。

側から見たら彼らが気でも狂ったかのようにしか見えないのだ。

何もない空間に向かって怯えたり、震えたり、泣き叫んだりしているだけだから。

しかし、フレアだけは私が彼らに何をしたか知っていた。

彼も兄弟の中で私の他にあの幻影魔法を使えるものだからね。

キリル姐さんから魔法を兄弟皆んなで教わったが、あの魔法が使える様になったのは私とフレアだけだった。

他の兄弟は何回練習しても使う事ができなかった。

ブルーム兄さんに至っては発動すらしなかったのだ。

それだけ難しく扱いにくい魔法。
用途でしては拷問に使ったり、敵の目を欺く時に使うのだとキリル姐さんが教えてくれた。

あとは...あとの使い方は秘密だ。

私はギルマスの質問に対してお灸を据えているだけと伝えた。

とりあえず壊れた建物を先に修繕することにした。

そうしないとギルマスの胃がまた痛みそうな気がしたからだ。



























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