ドラゴンなのに飛べません！〜しかし他のドラゴンの500倍の強さ♪規格外ですが、愛されてます♪〜

第二章

2-65 スカウトも大変

　私達は持ってきた手土産をそそくさと渡して本題に入ることにしたが...その前に自己紹介をするべきだと思い出して、私達は彼らに自己紹介をした。

『初めまして。私、こう見えても冒険者をしているスノーといいます。あっ、これ私のギルドカードです。』

「俺も、冒険者しているフレアです。これ、カードです。」

そう言って私達は国王様からもらったら世界に五つしかない特別なギルドカードを見せた。

私達が見せたギルドカードを見て皆んな固まった。

そんな事はお構いなしに私は話を進めた。

『私達、今新しいギルドを作ったの。でも、そこで働いてくれる人がいなくて人探しをしている段階なの。もし、仕事が見つかってなかったら一緒にどう？』

私が笑顔で話しているのに相手はまだ固まったままで、私の話すら耳に入って来ていない様子だった。

フレアはハァーと溜息をついて彼らの側まで行き、大きな音を立てるとようやく彼らは正気に戻った。

「大丈夫ですか？」

フレアがそう質問すると四人は首がちぎれんばかりに縦に振った。

そして彼らも自己紹介をしてくれた。

「は、初めまして...。元A級冒険者をしてましたコチットです。」

「妻のミミです。私も元冒険者で、B級で後方支援...回復をメインにしてました。」

「コチットの父親でココイチといいます。ワシも元冒険者じゃ。今は畑を耕しているがな。」

「コチットの母親のヤヤです。私も元冒険者です。」

なんとこの一家元冒険者だったのだ。

なら...ふふふっ。私は満面の笑顔でもう一度先ほどの台詞を少し改良して彼らに伝えた。

『私達、今新しいギルドを作ったの。でも、そこで働いてくれる人がいなくて人探しをしている段階なの。もし、仕事が見つかってなかったり、農業で暇をしてたら一緒にどう？』

そう、私は彼ら一家をまとめて雇いれる事を思いついたのだ。

それにはフレアも驚いた。

「スノー本気か？」

『ええ。だってまだ人手は足りてないのよ！なら一人でも多い方がいいじゃない！しかも元冒険者なら心強いじゃない？』

私の台詞にフレアは頭を抱えた。

言われた側はなんのことやらさっぱりと言った感じだったので、フレアが改めて説明すると...。

「はぁーーーー！！！！！！！」

四人は顎が外れんばかりに大きく口を開いて叫ぶのだった。

『そんなに叫ばなくても私耳は遠くないのに...。』

耳を塞ぎながらそう呟くとフレアにお前のせいだ、自業自得だ！と言われたのだ。

とりあえず彼らが落ち着いたらもう一度話を進めようと思った。

今はかなりパニックになっているためそっとしておくことに。