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第二章

2-52 三人のエルフ達の思い

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 私に声をかけて来たエルフの三人は幼馴染で、最近十七歳になったばかりのまだ子供。

エルフは百歳になってようやく大人として認められるのだ。
何せ平均寿命五百歳だからね...。

彼らは、同じエルフの里で暮らしていたのだが...悪質な冒険者と盗賊が手を組んだ組織によって里が襲われてしまい家族と里の仲間は抵抗した事により皆殺しにされてしまい、唯一抵抗しなかったこの三人だけ生き残ってこの街に連れてこられ悪徳営業をしていたあの男に買われたのだ。

どんな扱いを受けても三人一緒だったからなんとか乗り越えてこれたのだったが、あと少し私が彼らと出会うのが遅かったらこの三人は餓死していたぐらい酷い状況だったのだ。

今ではそんな目にあってたとは思えないぐらいふくよかになり健康そのものとなっている。

まだ心の傷が癒えていない仲間を励ましたり、ドワーフの子供達の面倒も率先して見てくれるいい子達だ。

そんな子達だからこそ...っていうのがあるから私はある提案を彼らにしたのだ。

それが...

『なら貴方達三人とも私達が運営するギルドで働かない?』

そう。
まだ従業員が必要な私達のギルドの職員として彼らを起用しようと思ったのだ。

そこな私も兄達もいるから彼らにとっても安全な場所だと思ったから。

私の提案に三人はキョトンとしていた。
だから詳しく詳細を話してみた。

『私達兄弟とこの国の国王陛下の息子達四人とが協力して新たなギルドを作ったの。人間とドラゴン族を繋ぐね。
 できれば種族関係なく和気藹々として過ごせる環境を作っていきたいのよね。
今従業員を探しているんだけど...確定しているのが一人だけなの。
もし本当に貴方達が本気で外の世界で仕事をしてみたいと思っているなら私達のギルドで働くのが一番安全だと思うの。
どうかしら?』

三人は互いに互いの顔を見合わせて何やら相談しだしので、別に返事は急がないと伝えた。

『まだまだギルドを運営開始するには時間があるからしばらく考えて見て?いいリハビリにもなるかと思うわ。
それ以外の働き口は今の所は紹介できないわ。まだ全ての事件が解決したわけではないから...。』

そう...エルフ達の件も、ドワーフの件もまだまだ未解決なのだ。

少しずつ詳細は明らかになりつつあるのだが、何せこの国の人間以外が絡んでいるため難航している部分があるのだった。

それでも...ギルマスは諦めずに調査をしてくれており、分かったものだけでも私達に報告しに来てくれていたのだった。

だから本当に働くなら、せめて自分達が彼らを守れる範囲で仕事をして欲しいのが本音なのだ。

それが彼らに伝わらなくてもいい...あくまでもこれは私の気持ちだからだ。

そんなこともあり返事を急がなかった。
彼らにはもう少しゆっくり考えてから返事を聞くと伝えて今日の仕事をするようお願いして私は街へと向かった。












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