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第二章
2-48 エルフ達からの返事は
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多少強引ではあった気はしたが、私は自分の思いを伝えるだけエルフの人達に伝えたのだが...それがどれだけ彼らの心に届いたかは分からない。
それでも私はこの思いを伝えずにはいられなかった。
それだけ彼らの技術力は素晴らしい物だからだ。
でも...もっと彼らの気持ちを汲んであげた方が良かった気もすると悩んではいた。
私が彼らにその言葉を伝えて二日後の事だった。
いつもの様に彼らを連れて家の近くの森に素材集めと食材集めに行った時のことだった。
終始何かを言いたそうにしている彼らの様子が気になり、一度休憩をとるときに私の方から声をかけた。
『何か気になる事があるんならちゃんと言って。』
私がそう言うと意を決した顔付きになり私の周りをエルフ達が囲む。
そして...
『あ、あのう。先日お話し頂いた件なんですが...。』
そう言って私に返事をしてきたのは私が最初に助けたエルフの親子の父親の方でワインさんだ。
一見エルフって判別するのが難しいらしい。
お母さん達ですら彼らの区別が付かずによく間違っているが...私だけはなぜか彼らの区別ができ一度と間違った事はない。
ワインさんもそうだが、ワインさんの家族は私に対して崇めている節がある。
最初に助けて、最初に私の実力を見せているというのもあるのだろうけど...私達家族とエルフ達との仲介役もかってでてくれている人だ。
ワインさんは私の前に一歩だけ歩み出て私の顔色を見ながら話を続ける。
『先日お話し頂けた...件なんですが...。あれから皆んなで話し合ってみました。
』
『えっ?そ、それで??』
私は座っていた切り株から腰をおろして視線を下げてワインさんの顔を覗き込む様にして言葉の続きを待つ。
ワインさんはなぜか顔を赤らめて照れながら話し出す。
『えっ...そ、そのう...み、皆んなで...は、話し合って...そ、その...。』
なかなか話が進まないワインさん。
私は話の続きが知りたくって目を大きく見開いて彼の顔を見る。
そんな私達のやり取りを見かねたワインさんの奥さんが溜息を吐き立ち上がり、ワインさんの肩を掴み少し後ろに体を下げて代わりに私に話の続きを聞かせてくれたのだった。
『スノー様。旦那が情けなく申し訳ありません。代わりに私から御返事をさせて頂きます。
あのあと皆んなで話し合いました。正直な所古参の者はまだ貴方様以外のものは例え家族であっても信用しきれておりません。
ですから怖いし、不安な部分が強いのです。』
その言葉に私は対して驚きはしなかった。
その事については母さん達から既に話は聞いているからだ。
私がいない時は彼らはかなり警戒心が強く常に母さん達の動きに神経を尖らせていると言うのだ。
境遇が境遇だけに無理はするつもりはないが、あの状態では彼らの方が精神的に参ってしまうのでは?と母さん達はかなり心配していたのだった。
だから家にいる時はなるべく彼らと一緒に私は過ごす様にしている。
その方が彼らが少しでも安心して過ごせるからだ。
ドワーフの子供達は兄さん達でも問題がないからね。
そういうのもあるからだろう。
彼らからの信頼関係というか依存にも似たものを感じるのは...。
でもそれが悪いとは私は思わなかった。
それで少しでも彼らが前向きに生きてさえいてくれるならと思っているから。
それでも私はこの思いを伝えずにはいられなかった。
それだけ彼らの技術力は素晴らしい物だからだ。
でも...もっと彼らの気持ちを汲んであげた方が良かった気もすると悩んではいた。
私が彼らにその言葉を伝えて二日後の事だった。
いつもの様に彼らを連れて家の近くの森に素材集めと食材集めに行った時のことだった。
終始何かを言いたそうにしている彼らの様子が気になり、一度休憩をとるときに私の方から声をかけた。
『何か気になる事があるんならちゃんと言って。』
私がそう言うと意を決した顔付きになり私の周りをエルフ達が囲む。
そして...
『あ、あのう。先日お話し頂いた件なんですが...。』
そう言って私に返事をしてきたのは私が最初に助けたエルフの親子の父親の方でワインさんだ。
一見エルフって判別するのが難しいらしい。
お母さん達ですら彼らの区別が付かずによく間違っているが...私だけはなぜか彼らの区別ができ一度と間違った事はない。
ワインさんもそうだが、ワインさんの家族は私に対して崇めている節がある。
最初に助けて、最初に私の実力を見せているというのもあるのだろうけど...私達家族とエルフ達との仲介役もかってでてくれている人だ。
ワインさんは私の前に一歩だけ歩み出て私の顔色を見ながら話を続ける。
『先日お話し頂けた...件なんですが...。あれから皆んなで話し合ってみました。
』
『えっ?そ、それで??』
私は座っていた切り株から腰をおろして視線を下げてワインさんの顔を覗き込む様にして言葉の続きを待つ。
ワインさんはなぜか顔を赤らめて照れながら話し出す。
『えっ...そ、そのう...み、皆んなで...は、話し合って...そ、その...。』
なかなか話が進まないワインさん。
私は話の続きが知りたくって目を大きく見開いて彼の顔を見る。
そんな私達のやり取りを見かねたワインさんの奥さんが溜息を吐き立ち上がり、ワインさんの肩を掴み少し後ろに体を下げて代わりに私に話の続きを聞かせてくれたのだった。
『スノー様。旦那が情けなく申し訳ありません。代わりに私から御返事をさせて頂きます。
あのあと皆んなで話し合いました。正直な所古参の者はまだ貴方様以外のものは例え家族であっても信用しきれておりません。
ですから怖いし、不安な部分が強いのです。』
その言葉に私は対して驚きはしなかった。
その事については母さん達から既に話は聞いているからだ。
私がいない時は彼らはかなり警戒心が強く常に母さん達の動きに神経を尖らせていると言うのだ。
境遇が境遇だけに無理はするつもりはないが、あの状態では彼らの方が精神的に参ってしまうのでは?と母さん達はかなり心配していたのだった。
だから家にいる時はなるべく彼らと一緒に私は過ごす様にしている。
その方が彼らが少しでも安心して過ごせるからだ。
ドワーフの子供達は兄さん達でも問題がないからね。
そういうのもあるからだろう。
彼らからの信頼関係というか依存にも似たものを感じるのは...。
でもそれが悪いとは私は思わなかった。
それで少しでも彼らが前向きに生きてさえいてくれるならと思っているから。
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