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第二章

2-43 ヒーローは実はお荷物?

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 私達に絡んできた男達をたった一人で撃退したギルマス。

その姿を私達の隙間からそんなギルマスの姿を見ていたドワーフの子供は目を輝かせていた。

男達が去っていなくなったのを確認してギルマスは私達の方を向いて声をかけてきた。

「お前ら無事か?」

ギルマスの言葉に私達はもちろんって答える。

「はぁー良かった。アイツらどうやら今日捕まえた奴らと関係があるみたいだな。」

『えっ?!なら逃して良かったのかよ!』

ギルマスの言葉にブルーム兄さんがいち早く反応する。

そんなブルーム兄さんに対してギルマスは大丈夫だと言う。

「ちゃんと手は打ってある。ギルドの隠密部隊に後をつけさせてある。」

『ああ。五人ほど建物の裏から追いかけていた人達のこと?』

『えっ?そんなのいたか?』

『兄さん...。』

『ギルドっていったいどんな職種がいるの?』

「手広くやってんだな。」

そんな私達の会話も子供達は目をキラキラしてみているのに耐えきれなかったのだろう。

ギルマスがどうにかしてくれと私に目線を送ってくるので渋々対応する。

《どうしたの?》

私が声をかけると子供達は視線をギルマスから外さずに答えてくれる。

《おっちゃん凄い!》

《かっこいい!!》

《お、おれ!おっさんみたいな男になりたい!》

そんな風に話すので私は驚きつつもギルマスに伝えるとギルマスも驚いていた。

ギルマスは見た目がかなり厳つい方なので子供達はギルマスを見ると怯えるか、泣くか、嫌われるかなのだ。

ギルマスを見ても普通だったのは今まで私達兄弟だけだった。

この子達も最初ギルマスを見た時は怯えていたのだが...あの一瞬の出来事に子供達の中で何か起こったのだろう。

ほんの一瞬にしてギルマスはドワーフの子供の"ヒーロー化"してしまったようだ。

ギルマスは初めて感じる子供達の純粋な眼差しと、いつの間にか足元に近寄ってきてズボンを小さな手で掴んで離さない行動にタジタジになっていた。

『所で何しに来たんだオッサン。』

ドワーフの子供に囲まれて困惑しているギルマスにブルーム兄さんが不貞腐れた感じで質問する。

ギルマスは子供達の対応に追われながらもブルーム兄さんの質問に答える。

「いやぁー...副ギルマスか、伝言預かっていたんだが...なんだったんだっけ?」

と言うので私達は呆れた感じでギルマスを見る。

とりあえず私達は家に帰りたかったので子供達に声をかけて家路を行こうとするが、子供達はギルマスから離れようとしないのでギルマスごと連れて帰ることにした。

子供達に囲まれているギルマスを私が担ぎ上げて進むとそのギルマスにつられて子供達も後をついてくる。

その後を兄達が歩くと言うシュールな光景となってしまった。

ギルマスは恥ずかしいのか私に降ろせと言うが、

『じゃー降ろすけど、ギルマス子供達を払い退けて歩けるの?』

と私が言うと大人しくなった。

私は溜息をつきながらギルマスを担ぎ直して家路を急いだ。


























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