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第二章
2-40建物に侵入 ⑦
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囚われているドワーフの子供達はどうやらドワーフの言葉のみしか話せない様で、助けに行った兄さん達は意志伝達に困惑している様子。
助けを求められて仕方なく暇を持て余していた父さんにお願いしたら二つ返事で対応してくれたのだ。
父さんはドラゴン族の長の一人。
その為他の種族の言葉も理解し、話すことができる。
ちなみに幼い頃にその事を父さんから教わり私達もなんだのだが...兄弟の中で唯一全ての種族の言葉をマスターできのたのは私のみだった。
ブルーム兄さんとローダンは人間族の言葉のみ。
ラース兄さんは人間族とエルフ族の言葉のみしかマスターできなかったのだ。
本来なら私が行くべきなのだろうが...今私が動くと敵の察知をする者がいなくなるので父さんにお願いしたのだった。
私の頼みを聞き入れた父さんは瞬時に地下にいる兄さん達の元へと行き対応をとってくれた。
『お前達...情けないなぁー。ちゃんと父さんは教えたのに...。』
『げっ!オヤジ...。なんでオヤジが来るんだよ。』
「すまんのう。コイツらが何を話してるのかさっぱりでなぁー。」
父さんはやれやれといった感じで檻に近寄り腰を屈めて声をかけた。
《やぁー。大丈夫かい?私の言葉がわかるかい?》
父さんがそう声をかけたら檻の中で怯えていた子供達がハッとして父さんの方を見て恐る恐る返事をした。
《わ、わかる。で、でもあんた同族じゃ、ない。》
ドワーフの子供の中でも一人だけ体格も良くきっと年齢も上なのだろう。
しっかりとした眼差しで父さんを見つめ返事をする男の子に父さんは微笑みながら更に言葉を返した。
《ああ。私は君たちとは違う種族で、ドラゴン族だ。私の左から後ろにいるのは私の息子達だ。そして、右側にいるのは私の友人でね。
外にも私の娘と息子が君達の救出のために奮闘しているよ。》
父さんがそう言うと男の子は信じられないと言った表情を浮かべて父さんに返事を返した。
《な、なんで同族でもないのに!てか人間は俺たちをここに連れて来た悪い奴だ!》
そう言い返す子供に父さんはあくまでも優しく対応した。
《ああ。人間の中には悪いやつもいる。それは同族でも同じではないかい?
たまたま君達を連れて来たのが遺種族だっただけで、中には同族に裏切られて連れてこられた子もいるんじゃないかい?》
この父さんの言葉に反応した何人かの子供達がさらに泣き出したのだった。
どうやら父さんの読みは当たっていた様で、ここに集められた子供の中には同族に裏切られて人間に売られて連れてこられた子供もいる様だった。
《辛いのはわかるが、全ての人間が悪いと決めつけるのは良くないよ。
ここにいるものは君達になんの縁(えん)も縁(ゆかり)もないのに、君達のために危険を犯してここまで来ているんだからね。》
父さんがそう言うと子供達は静かに頷き、協力姿勢を見せ出したのだ。
『もう大丈夫の様だね。どうやらこの子達の中には同族に裏切られて連れて来た子供もいるようだ。
情けない世の中だよ。子供は宝だというのに。どんなに馬鹿な子供でも親にとっては大切な存在には変わりないのにね。』
父さんはそう言うと自分の拳をギュッと握りしめた。
そんな父さんの姿を見て兄さん達は自分の親がこの人で良かったと思ったそうだ。
それは離れた場所で見守っていた私やローダンも同じ気持ちだった。
助けを求められて仕方なく暇を持て余していた父さんにお願いしたら二つ返事で対応してくれたのだ。
父さんはドラゴン族の長の一人。
その為他の種族の言葉も理解し、話すことができる。
ちなみに幼い頃にその事を父さんから教わり私達もなんだのだが...兄弟の中で唯一全ての種族の言葉をマスターできのたのは私のみだった。
ブルーム兄さんとローダンは人間族の言葉のみ。
ラース兄さんは人間族とエルフ族の言葉のみしかマスターできなかったのだ。
本来なら私が行くべきなのだろうが...今私が動くと敵の察知をする者がいなくなるので父さんにお願いしたのだった。
私の頼みを聞き入れた父さんは瞬時に地下にいる兄さん達の元へと行き対応をとってくれた。
『お前達...情けないなぁー。ちゃんと父さんは教えたのに...。』
『げっ!オヤジ...。なんでオヤジが来るんだよ。』
「すまんのう。コイツらが何を話してるのかさっぱりでなぁー。」
父さんはやれやれといった感じで檻に近寄り腰を屈めて声をかけた。
《やぁー。大丈夫かい?私の言葉がわかるかい?》
父さんがそう声をかけたら檻の中で怯えていた子供達がハッとして父さんの方を見て恐る恐る返事をした。
《わ、わかる。で、でもあんた同族じゃ、ない。》
ドワーフの子供の中でも一人だけ体格も良くきっと年齢も上なのだろう。
しっかりとした眼差しで父さんを見つめ返事をする男の子に父さんは微笑みながら更に言葉を返した。
《ああ。私は君たちとは違う種族で、ドラゴン族だ。私の左から後ろにいるのは私の息子達だ。そして、右側にいるのは私の友人でね。
外にも私の娘と息子が君達の救出のために奮闘しているよ。》
父さんがそう言うと男の子は信じられないと言った表情を浮かべて父さんに返事を返した。
《な、なんで同族でもないのに!てか人間は俺たちをここに連れて来た悪い奴だ!》
そう言い返す子供に父さんはあくまでも優しく対応した。
《ああ。人間の中には悪いやつもいる。それは同族でも同じではないかい?
たまたま君達を連れて来たのが遺種族だっただけで、中には同族に裏切られて連れてこられた子もいるんじゃないかい?》
この父さんの言葉に反応した何人かの子供達がさらに泣き出したのだった。
どうやら父さんの読みは当たっていた様で、ここに集められた子供の中には同族に裏切られて人間に売られて連れてこられた子供もいる様だった。
《辛いのはわかるが、全ての人間が悪いと決めつけるのは良くないよ。
ここにいるものは君達になんの縁(えん)も縁(ゆかり)もないのに、君達のために危険を犯してここまで来ているんだからね。》
父さんがそう言うと子供達は静かに頷き、協力姿勢を見せ出したのだ。
『もう大丈夫の様だね。どうやらこの子達の中には同族に裏切られて連れて来た子供もいるようだ。
情けない世の中だよ。子供は宝だというのに。どんなに馬鹿な子供でも親にとっては大切な存在には変わりないのにね。』
父さんはそう言うと自分の拳をギュッと握りしめた。
そんな父さんの姿を見て兄さん達は自分の親がこの人で良かったと思ったそうだ。
それは離れた場所で見守っていた私やローダンも同じ気持ちだった。
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