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第二章

2-37 建物に侵入 ④

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 ブルーム兄さんとラース兄さんが地下の目的の場所に向かっている間、近隣の建物の内部で動きがあった。

多分だが、定期的な見回りの時間にでもなったのだろう。

四つの建物の中から同時に人が一人ずつ出て来たのだった。

もちろんその事は私が見逃すわけもなく、すぐさまフレアに連絡して対処済み。

建物内に残っているのも一気にフレアが片付けていく。

無傷で気絶をさせて縛り上げていくフレア。

『フレアって優しいのね。私ならそのまま吊し上げるのに。』

フレアの行動を見ながら思わず呟く私にフレアとローダンは苦笑いを浮かべる。

『フレア。もうじきギルマス達がここに来るみたいだから、縛ったそいつら一箇所に集めてくれる?あと、武器も。』

私の言葉にフレアは"わかった"と答えてテキパキとこなしていく。

フレアが全ての武器を回収し終えた頃合いにギルマスと父さん達がこの場所に着いたのだった。

「やっぱりお前さん達が先に動いていたかぁー。」

ギルマスは頭を掻きながら呟くので私は手短に説明した。

『フレアが武器を所持していた奴らを抑えて縛って武器も回収してあるからよろしく。
 あと、地下に捕らえられている人達の方はブルーム兄さんとラース兄さんが対応してくれてるわ。』

私がそう言うと、ギルマスは一緒に連れて来ていた冒険者と数名のギルド職員に指示を出す。

「お前たちはフレアの所に行き、縛られている連中と武器をギルドに運べ。
残りの連中で捕らえられている連中の救出に向かうぞ!」

ギルマスの言葉に素直に応じる人達。

すると一緒に来ていた父さんが、

『では私がフレアの所まで案内しよう。』

そう言って二手に分かれた一方の方を連れてフレアの元へと向かった。

私はギルマスに指示を出しながら兄さん達の元へと導いたのだった。

『兄さん。ギルマスとその他数人がそっちに向かうから合流して捕らえられている人達を解放してあげて。』

私がそう言うと...

『わかったぜ。じゃーそのままここで待ってることにするわ。』

そう言って兄さん達はギルマス達が合流して来るのを待つことにしたのだが...。

いっこうにギルマス達が合流しないのだった。

なぜなら...何回説明してもギルマスは地下へと向かえないからだ。

地下への入り口は足元にあると伝えても理解せず、壁にある扉ばかりを開くからだった。

見守る私も、待機している兄達も我慢の限界を迎えたので...

『兄さん!』

『スノー!』

『迎えに行って!』

『迎えに行ってくるわ!』

互いに同時にお願いしたのだった。








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