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第二章

2-31 罰は降った

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 ブルーム兄さんが鼻息荒く宣言した時だった。

通路の奥からこちらに向かってくる足音がしたので私達は話を止めて耳を澄ませていると...。

「なっ?!お前らまだこんな所にいたのか?何してんだって...なんだ?その構図は...。」

「うわぁ~。相変わらず仲がよろしいようで...。てか、お前達が兄弟って知ってなかったらヤバいぞ...。」

足音の主はギルマスとツルピカさんだった。

『あの男は?』

私は呆れた顔で私達を見ているギルマスに質問すると、ギルマスは通常の顔に戻り質問に答えてくれた。

「気を失っている。」

「あれはもう廃人だな。」

「ああ。俺たちが特に手を下す前に奴はすでに呪われていたみたいだな。」

「そうそう。見えないものが見えているようだぜ。」

ギルマスとツルピカさんの話を詳しく聞く限りは、ギルマスとツルピカさん達の尋問にはひたすら耐えてシラを切り通していたのだが...私達が訪れた後の尋問には異常に怯えた態度を見せたそうだ。

しかも...その男にはギルマスとツルピカさん以外の"何者かの"姿や声が聞こえている様子で、怯えに怯えて勝手に気を失ってしまったという...。

『アホそうな面してたからな。』

『えっ?!それ...兄さんが言います?』

『へっ?言ったらいけないのか?』

『うーん...微妙かな?』

「そうだな。」

兄さん達のアホな会話を聞き流しながら私はある事を考えた。

もしかしたら...本当にもしかしたらなのだけど...。

あの建物で死んでいったエルフ達の怨念の様なものが私に付いて奴の前に現れたのではないかと...。

彼ら...エルフ達の事を思い表情を沈め

『やっぱり、人もドラゴンもだけど...悪い事をすればちゃんと罰が降るようになっているのね。』

そうボソッと呟くとブルーム兄さんは優しく私の頭を撫でてきた。

『大丈夫だ。お前は何一つ悪い事をしてないから罰は降りない。』

ブルーム兄さんのその言葉に私は一種意味がわからなかったが...

『ありがとう。兄さん。』

ブルーム兄さんにそう返事を返すと兄さんは嬉しそうな表情をした。

「はぁー。本当にお前達は仲がいいな。これで、誰かに恋人でもできたらどうなるんだろうな?」

ギルマスがそうボソッと呟くと兄さん達は揃いも揃って

『そんなの妹の方が優先だろう?』

『スノーが優先ですね。』

『姉ちゃん優先だよ!』

「スノーが優先だな。それで文句言う奴はさよならだ。」

その回答が当たり前のように堂々と言うのだから...タチが悪い。

聞いているこっちの方がすごく恥ずかしくなってきた。

話を聞いていたギルマスとツルピカさんはお馴染みの呆れ顔になっていたのだ。
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