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第二章

2-28 別のあやまちに気づき

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 兄達に今日あった出来事を包み隠さずに全て伝えると兄達はえらく驚愕した表情をして固まってしまった。

そうなっても仕方がないと思う。
当事者である私もこうやって改めて自分が体験した事を兄達に話しながら考えると...まじかぁー...と思ったからね。

あの時は怒りに身を任せて色々やらかしてしまったけど...。

でも、自分がした事に対して後悔は一切してない。
だって...。

考え事をしているとラース兄さんが私に声をかけてきた。

『スノー。本当に全て実際にあった事なんだな?』

ラース兄さんの言葉に私はハッとなりながらも頷いた。

『そうか...。スノー...お前、自分がした事に後悔はしないのか?』

ラース兄さんの言葉にブルーム兄さんとローダン、フレアは真剣な表情をして私を見つめてきた。

私はラース兄さんの言葉に真剣な表情をして言葉を返した。

『後悔なんかしてないわ。誰かが対応しないと彼らはもっと酷い目にあってたわ。
彼らだけでない。他のエルフ達も犠牲になってたかもしれないわ。
 それだけじゃない...。私自身が奴らの行為に、行動に対して許せなかったの。
それで私が人の命を殺めたという結果となっても全く後悔はしてないわ。』

私がそう言いきるとラース兄さんは優しく微笑んでくれた。

『お前がそう言うなら何も言う事はない。お前が後悔していないならかまわない。でも...できたら今回のような事が今後起きたら自分で処理する前に私達に報告しなさい。
 お前一人で罪を背負う必要はない。』

『そうだ。俺たちは兄弟だ。お前だけ辛い思いをする必要はない。』

『辛い事は皆んなで分け合って負担を減らして克服するんだよ!』

「そして、楽しいことも、嬉しいことも皆んなで分け合って倍にするんだ。」

兄弟達の言葉に私の目から自然と涙が流れた。

兄弟達の気持ちが...あまりにも暖かく優しかったから...。

非難されるかと思っていたのだが...兄弟達は非難するどころか私一人が"人殺し"という罪を背負ってしまった事を嘆いていたのだった。

兄達の言葉を改めて聞いて私は別のあやまちを犯していることに気付いてしまった。

あの時は現場の状況に怒りを感じ...自分が感じた怒りのまま行動を起こした...。

しかし...その行動は下手をすれば人間とドラゴン族との間に大きな亀裂を作る事になりかねない事だったのだ。

だが、今回の件は人間達の方に多大な非がある事が判明した事により私が行った"人間殺し"に関して王様もギルマスも目を瞑ってくれたのだと言う事に...。

『俺たちは兄弟だ。お前一人で全てしてしまったら俺は...お前が辛い時...お前を救ってやれなくなる。それはなによりも辛い...。
だから次は絶対に俺たちを呼べ!いいな!全員が無理でも...俺だけは必ず呼べ!』

ブルーム兄さんはそう言って私を力強く抱きしめてくれた。











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