上 下
235 / 664
第二章

2-27 兄弟に打ち明けました

しおりを挟む
 私達が上に戻る道中、後ろから落ち着いた兄達に捕まり話しかけられた。

捕まり...はおかしいかな?
あえて彼らが追いつくペースで歩いてんだから...。

私は兄達に捕まりことの詳細を詳しく教える様に言われた。

てっきり先にギルドに戻っていたギルマスから話を聞いているものだと思ったらそうでもなかったようだ。

『スノー!教えてれ!何があったんだ?!』

『そうですよ。ギルマスはいきなりボロボロにやられたあの男を縛ったまま連れて帰って来ては、誰も寄せ付けずに地下に行ったり、ギルマスの部屋に行ったりとで...。』

『僕達が質問しても後にしてくれっ!教えてもくれないんだよ!狡いよぉ~!』

「しかもあの男を縛ったのはお前だろう?以前キリル姐さんから縛り方を色々教わってたのを俺は知っているぞ。」

そう言われながら私は通路の壁のほうに追いやられて、それを四人の男に取り囲まれるって構図となっていた。

私達の関係性を知らない人が見たら、"幼気な少女が柄の悪い男四人に囲まれている"...っていう風に見えるのだろうが...。

ハッ。きっとここに見知らぬ人でも、知っている人がきても助けはしてくれないだろうなぁーって思う。

なぜなら四人からはゆとりのないオーラが出ているからだ。

下手に声をかけようものならヤラレチマウ!って感じのね...。

私は四人の顔を見つめ溜息をついた。
そしてゆっくりあった出来事を全て話した。

もちろん包み隠さずね...。
そうする事によってどんな結末が起こるかは...想定済みだったが、今の兄達に対して誤魔化す方がかなりのリスクを伴うと判断したからだ。

『はぁー。じゃー話をするけど...こんな所で暴れたりしないでね。上の階の人達に迷惑がかかるから。』

そう一応前振りをしてから私は話をした。

兄達と別れた後、街をぷらぷらと散策していたこと。

そこでたまたま行ったことのない路地を見つけたこと。

そして、そこでたまたまクソ野郎に痛ぶられているエルフの親子を見つけたこと。

更にあまりにもそのクソ野郎に腹が立ったから吹っ飛ばしてやったこと。

すると建物中からうじゃうじゃとクソ野郎の仲間が出てきて、私を慰みモノにしようと言う発言をしたので始末したこと。

あの縛っている男がそいつらの親玉ってこと。

建物の中には沢山のボロボロに...家畜以下の扱いをされていたエルフ達がいたこと。

見捨てることができずに助け出して今家に連れて帰っていること。

敷地内に父さんと協力して彼らの家を作り、庇護する考えであること。

今父さんと家具を買いに街に来ていることまで話をした。

その話を聞き兄達は絶句して私を見つめるのだった。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

悪役令嬢に転生したので、剣を執って戦い抜く

秋鷺 照
ファンタジー
 断罪イベント(?)のあった夜、シャルロッテは前世の記憶を取り戻し、自分が乙女ゲームの悪役令嬢だと知った。  ゲームシナリオは絶賛進行中。自分の死まで残り約1か月。  シャルロッテは1つの結論を出す。それすなわち、「私が強くなれば良い」。  目指すのは、誰も死なないハッピーエンド。そのために、剣を執って戦い抜く。 ※なろうにも投稿しています

義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。

克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位 11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位 11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位 11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位

愚かな父にサヨナラと《完結》

アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」 父の言葉は最後の一線を越えてしまった。 その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・ 悲劇の本当の始まりはもっと昔から。 言えることはただひとつ 私の幸せに貴方はいりません ✈他社にも同時公開

【完結】天下無敵の公爵令嬢は、おせっかいが大好きです

ノデミチ
ファンタジー
ある女医が、天寿を全うした。 女神に頼まれ、知識のみ持って転生。公爵令嬢として生を受ける。父は王国元帥、母は元宮廷魔術師。 前世の知識と父譲りの剣技体力、母譲りの魔法魔力。権力もあって、好き勝手生きられるのに、おせっかいが大好き。幼馴染の二人を巻き込んで、突っ走る! そんな変わった公爵令嬢の物語。 アルファポリスOnly 2019/4/21 完結しました。 沢山のお気に入り、本当に感謝します。 7月より連載中に戻し、拾異伝スタートします。 2021年9月。 ファンタジー小説大賞投票御礼として外伝スタート。主要キャラから見たリスティア達を描いてます。 10月、再び完結に戻します。 御声援御愛読ありがとうございました。

冷酷皇子に嫁いだお飾り妃、話に聞いていたのと何か違う~デフォルトで溺愛ルートに入ってるんですけど~

恋愛
 ある日、美少女令嬢に転生したことにアリア・ラケウスは気が付いた。しかも、数日後には評判の悪い第一皇子ライン・サーナイトに嫁ぐことになっていた。  とにかく冷酷だという第一皇子、しかも外見も褒められたものではないらしく、転生早々大ピンチに。  しかし、嫁いでみたらあら不思議。とりあえず世間体を保つための結婚だと言われていたのに、冷酷皇子はアリアを溺愛し始めたではないか。至れり尽くせり贅沢三昧を与えてくる皇子に、アリアも皇子の評判を良くするため一念発起することにした。

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

冷宮の人形姫

りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。 幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。 ※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。 ※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので) そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。

処理中です...