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第二章

2-26 彼への罰は

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 私が唯一あの現場から生かした男。
その男をギルマスに預けて尋問してもらった結果からだが...。
...本当にクソみたいな結果だった。

"「ああ。コイツはエルフを使って人体実験をしてたよ。」"

知ってはいたがギルマスの口からあえて聞くと本当に虫唾が走った。

あの建物の地下にあった部屋。
棚に並んでいたものやエルフ達の死体を見て気付いてはいた。

変に切り取られた体の一部。
死体の一部もつぎはぎされていたものもあった。

「こんな人間がこの世にいるから世界は腐っていくんだな...。」

項垂れながら呟くツルピカさん。
その呟きにその場にいる人は誰一人として言葉を返すことができなかった。

それが事実だから...。

『この男...どうするの?』

私がそう質問するとギルマスは頭を掻きながら答えてくれた。

「一応...国王には知らせてある。返事は...お前の好きなようにとの事だ。見つけたのはお前だからな。」

『じゃー生き地獄を受けてもらう。死んだ方がいいと思うような生き地獄を最後まで歩んでもらう。
それでも足りないぐらいよ...でもそれがこいつにとって一番の罰となるわ。
方法は任せる。絶対に死なせないで!
彼らが受けた地獄をこいつにも味わせないと...。』

私がそう言うとギルマスは承諾してくれた。

「お前が助け出したエルフ達はどうしてる?」

ギルマスがそっと質問して来たので私は今度はギルマスの顔を見て答えた。

『彼らは私達の家の側に家を造って面倒を見る事にしたわ。あそこほど安全な場所はないから。』

私の言葉にギルマスはホッとした表情を浮かべた。

「すまんが頼めるか?本来なら俺たちがしないといけないんだが...今は人間を見るのも嫌だろう...。」

『そうね。家でも皆んな隅っこに固まって怯えているわ。
母さん達でも手こずっているからね。
でも頑張るわ。また彼らが安心して普通に生活できるようにしてみせるわ!』

私がそう言うとギルマスは頭を下げた。

「ああ、頼む。本当に今回はありがとう。これはギルド職員皆んなの感謝の気持ちと受け取ってくれ。」

ギルマスはそう言ってきたので私はその気持ちを素直に受け取った。

『わかったわ。じゃーギルマス。この男の事任せたわ。』

「ああ。絶対に約束は守ってみせる。」

『じゃー兄さん達そう言う事だからしばらく家族が増えるからよろしくね。』

私はギルマスの後ろで呆然としている兄達に声をかけて尋問部屋から出て、上の階へと向かうことした。

すると...兄達はギルマスと私の背中を交互に見つめていた。

「お前達も残りの仕事をしてこい。ここは俺たちでなんとかする。」

ギルマスにそう言われて兄達は急ぎ私の後を追ったのだった。


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