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第二章
2-25 尋問の結果...
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私が兄達を外に残しギルドに入ると...怯えた視線とシーンと鎮まりかえった空気を感じた。
いつもならギルド職員や他の冒険者、街の人達の賑やかな会話が聞こえてくるのに...それが全くなかった。
それどころか皆んな青白く顔を色を変えて怯えており、私と視線を合わせまいとするのだ。
怯えている原因は兄さんだと思ったが...どうやらそれだけでなかったよう。
男を連れて入ってきた私に顔色を青白くしたツルピカさんが近づいてきて震えながら声をかけてくる。
「す、スノー...。お、お前...そのオーラ...おさ、抑えてくれるか?」
この言葉で私は気づいた。
自分では平静を装っているつもりがそうでもなかったことに。
怒りのオーラ出しまくりしで皆んなが怯えていたのだった。
慌てて気持ちを沈めて笑顔を浮かべるとツルピカさんはヒッ!と声を上げる。
『ちょっと!何よ!ちゃんとオーラ元に戻したでしょ?失礼ね。
罰としてツルピカさん!私に付き合ってよね!』
そう言って私はまだ怯えるツルピカさんを引きずってギルドの奥へと向かった。
その後をギルマスや兄達が遅れて追いかけて来くる。
私が向かった先は地下の尋問部屋だ。
優しい感じ尋問する時は上の階にある部屋をつかうのだが...多少荒い事をして尋問する時は地下の部屋を使うのだ。
音漏れ防止策のためにね。
地下の部屋に入り男を床に下ろして結界を解除した頃にギルマスと兄達が合流した。
『ギルマス。一応聞くけど尋問は先にしてるんだよね?』
私はあえてギルマスの方を見ずに床でまだ倒れている男を見ながら質問した。
「ああ。中々目を覚さなかったから大変だったが...一応したぞ。話を聞くか?」
ギルマスは私の質問に答えてくれた。
私は頷きギルマスの言葉を待った。
ギルマスはふっーと深い息を吐くと尋問した内容を全て話してくれた。
「コイツ。かなりあくどい事をしてた。表向きの仕事と裏の仕事をしてたんだ。表向きは"なんでも屋"ってのをしていて、主に用心棒的なものが多い。利用料金最安値で用心棒を雇えるといって評判はかなりいい。」
私が聞きたかったのはそんなことではなかった。
だから思わず...
『裏は?』
と少し怒気を含んだ声で問いかけてしまった。
それでもギルマスは態度を変えずに答えてくれた。
「裏はかなり腐ってたわ...。これは完全にギルドの落ち度だ。
人攫いなんて序の口だ。エルフやドワーフなど別の種族の連中が住んでいる村を襲っては火を放ち帰る場所を奪い、財を奪い彼らを拘束、監禁。
奴隷以下の暮らしをさせてこきつかってたよ。」
『それだけじゃないでしょ?』
「ああ。コイツはエルフを使って人体実験をしてたよ。」
ギルマスからとんでもない発言がでた。
しかしあの現場を見ていた私はすでに予想をしていたのだ。
ギルマスの言葉に言葉を失う兄達。
一緒に連れて来たツルピカさんは項垂れていた。
私は怒りに震えて拳を強く握っていた。
いつもならギルド職員や他の冒険者、街の人達の賑やかな会話が聞こえてくるのに...それが全くなかった。
それどころか皆んな青白く顔を色を変えて怯えており、私と視線を合わせまいとするのだ。
怯えている原因は兄さんだと思ったが...どうやらそれだけでなかったよう。
男を連れて入ってきた私に顔色を青白くしたツルピカさんが近づいてきて震えながら声をかけてくる。
「す、スノー...。お、お前...そのオーラ...おさ、抑えてくれるか?」
この言葉で私は気づいた。
自分では平静を装っているつもりがそうでもなかったことに。
怒りのオーラ出しまくりしで皆んなが怯えていたのだった。
慌てて気持ちを沈めて笑顔を浮かべるとツルピカさんはヒッ!と声を上げる。
『ちょっと!何よ!ちゃんとオーラ元に戻したでしょ?失礼ね。
罰としてツルピカさん!私に付き合ってよね!』
そう言って私はまだ怯えるツルピカさんを引きずってギルドの奥へと向かった。
その後をギルマスや兄達が遅れて追いかけて来くる。
私が向かった先は地下の尋問部屋だ。
優しい感じ尋問する時は上の階にある部屋をつかうのだが...多少荒い事をして尋問する時は地下の部屋を使うのだ。
音漏れ防止策のためにね。
地下の部屋に入り男を床に下ろして結界を解除した頃にギルマスと兄達が合流した。
『ギルマス。一応聞くけど尋問は先にしてるんだよね?』
私はあえてギルマスの方を見ずに床でまだ倒れている男を見ながら質問した。
「ああ。中々目を覚さなかったから大変だったが...一応したぞ。話を聞くか?」
ギルマスは私の質問に答えてくれた。
私は頷きギルマスの言葉を待った。
ギルマスはふっーと深い息を吐くと尋問した内容を全て話してくれた。
「コイツ。かなりあくどい事をしてた。表向きの仕事と裏の仕事をしてたんだ。表向きは"なんでも屋"ってのをしていて、主に用心棒的なものが多い。利用料金最安値で用心棒を雇えるといって評判はかなりいい。」
私が聞きたかったのはそんなことではなかった。
だから思わず...
『裏は?』
と少し怒気を含んだ声で問いかけてしまった。
それでもギルマスは態度を変えずに答えてくれた。
「裏はかなり腐ってたわ...。これは完全にギルドの落ち度だ。
人攫いなんて序の口だ。エルフやドワーフなど別の種族の連中が住んでいる村を襲っては火を放ち帰る場所を奪い、財を奪い彼らを拘束、監禁。
奴隷以下の暮らしをさせてこきつかってたよ。」
『それだけじゃないでしょ?』
「ああ。コイツはエルフを使って人体実験をしてたよ。」
ギルマスからとんでもない発言がでた。
しかしあの現場を見ていた私はすでに予想をしていたのだ。
ギルマスの言葉に言葉を失う兄達。
一緒に連れて来たツルピカさんは項垂れていた。
私は怒りに震えて拳を強く握っていた。
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