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第二章

2-3 世界初の建物で世界初の取り組みを

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 国王を含めたお披露目会に参加したメンバー全員での話し合いが後日行われた。

なんの話し合いって?
それはね、この完成した建物を一般公開しても問題ないかっていう話し合いが。

建物ができたんだからお披露目したらいいじゃねぇーかぁーって言うブルーム兄さんの言葉は皆んなのひと睨みでとりあえず保留となり話し合いをしてからどうするかを決める事になった。

しかしだ。
いくら話し合いをしても結果は...行き着く先は同じだった。

ブルーム兄さんが言った様に建物自体ができてしまっているので、一般公開しないわけにはいかないのだ。

だからといってこのまま一般公開すれば...ねぇ...って奴だ。

だからこうして保護者達は頭を抱えているのだ。

あの長老ですら頭を抱えて老け込んでしまった。

『いったいなんでまたあんな建物ができてしまったんだ?最初の設計図とはかなり異なるぞ?』

皆んな設計図を見つめる。
そりゃそうですよね...。
何せ私達その設計図を無視して作ってしまったからね。

「まずどうやってあれを建てたかだ。スノー。正直に言いなさい。どうやってあの建物を建てたんだね。」

国王は設計図から顔を上げて私に声をかけて来た。
なんで私?と思ったが、王様だけでなく皆んなの視線が集中するので致し方なくこたえることに。

『基礎部分は職人さん達が作ってくれてたの。でも、色々あって工事がストップしたりしてたでしょ?
この建設にも関わってくれている職人さん達も仕事が次々と来て大変そうだから、この前冒険者ギルドを立て直したみたいにしてみたら早く完成するかなぁ?って思って兄弟皆んなで力を合わせてやってみたの。
そしたら...へへっ。この建物が完成したの。』

そう。今話し合いをしている場所は、その完成した建物の中でしているのだ。

外は目眩しの魔法をかけて建物全体を隠している。

外観だけなら王様の別荘と言っても問題ないのだが...内装がかなりまずいのだ。

そりゃ~この世界にはない技術が使われているからね...。

私の言葉を聞いて保護者達はそれぞれ兄弟達を見つめる。
すると、兄弟達はそれぞれ素直に頷く。
私が言った内容に嘘偽りはないからね。

その反応をみて保護者達は大きな溜息を吐く。

それを見てブルーム兄さんは眉間に皺を寄せて訴えかけた。

『この建物の何が悪いんだ?良いじゃねぇーか。俺たちが作ったんだからよ、他の建物と同じじゃなくても良いじゃねぇーか。ドラゴンと人間の架け橋みたいなものになれたら良いんだろう?だったら良いじゃねぇーか。』

ブルーム兄さんの言葉にラース兄さんもローダンもフレアも頷いた。

『私達は何一つ悪いことはしてないですよ。良かれと思って作ったんですから。』

『そうそう。あとね、これ皆んなで話し合ったんだけど、ここで働く人は人間とドラゴン族以外にもエルフやドワーフの人達にも働いてももらおうと思ってる。』

『もちろん労働条件は皆んな一緒だ。働くんだからな。種族が違うからと言って差別はしない。偏見もなしだ。
それが俺たちからの条件だ。』

『そうね。せっかくだから世界初の建物で、世界初の取り組みをするのがいいわ。そうすれば国王だけでなく、この国の株も上がるわ。
何より同じ世界に住んでいる仲間よ?差別する意味が私は分からないわ。』

私達の言葉に保護者は言葉を失っていた。
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