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第一章 

1-177 能力検査第一陣

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 ギルマスに別室に連れられて行かれた私達。
別室といっても...中庭だけどね。

しかも、そこにはこのギルドに登録しているAランクの冒険者たが全員揃っていた。

不思議に思いながらも私達はギルマスについて行く。

するとギルマスは歩みを止め私達に向き直って話しかけてきた。

「よし!今からお前さん達の身体能力と魔力、あと戦闘技術など細かい部分を確かめていく。
その為にこいつらを呼び集めているのだが、こいつらはあくまでも見学者だ。
だから気にせずにいてくれたらいいからな。」

ギルマスの言葉に胡散臭さを感じながらとりあえず頷く私達。

私達が頷くとギルマスは言葉を続けた。

「じゃースノー。お前は全て後にするからな。先にそれ以外の奴らからする。いいな。」

ギルマスがそう決めたなら文句はないので従う事にして私は皆んなから少し離れて自分で椅子を作りそこに座って皆んなの結果を見守る事にした。

私が何もないところから椅子を作り出したのには皆んな驚いていたが無視をする事に。

ギルマスは呆れ顔をしながらも兄達の能力検査を始めた。

兄達は一人ずつ練習用の剣を持たされてギルマスとの模擬戦をしたり、人形や的に攻撃をしたりと次々と出される課題をこなしていっていた。

しかも息一つ乱れる事なくやればやるほど元気になって行くという奇妙な光景だった。

そんな反面ギルマスはヘトヘトに...。

いやいや私達まだいますよぉ~と心の中で思いながらも眺めていると背後より観戦している冒険者達の呟き声が耳に入ってくる。

「なんなんだあの戦闘能力。化け物並みだな。」

「俺たちでは太刀打ちできないぞ。」

「下手したらここにいる連中が束になって勝てるか怪しいよなぁー...。」

「若いのに凄いよなぁー。俺たちも負けてられないなぁー。」

「いやもう負けてたりしてなぁー。あのギルマスがバテてるんだぜ?」

「毎年若手が来るけどあそこまでの実力がある奴って少ないんだよなぁー。」

「ああ。毎年あんなやつばかりだったらいいのに...。」

「あの幼なげな子も見た目に反してやるじゃないか。」

などなど。
聞いていて多少ムッとする内容もあったが、大半は面白い内容だった。

なにせ兄達を見る彼らの目線が奇妙な物を見る視線ではなく、憧れの目線で見てくれているからだ。

ちゃんと評価をされている分例えどんな事を言われても多少イラッとはするが許せる。

しかし、水を得た魚の様に兄達は楽しそうに出される課題をこなして行くのを見て私も少しながらウズウズしてしまうのだった。
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