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第一章 

1-144 いつのまにか兄弟喧嘩?

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 私達はキリル姐さんの言葉に一つ一つ反応を示しながらも話を聞いた。

「あなた達はもう巣立ちをしたのよ。いわば大人の仲間入りね。
ならそれなりの対応と言うものをしないといけないわ。
年齢的にはまだまだ幼い部分があるけど、それなりに仕事をしてるわよね?」

キリル姐さんの言葉に私達は静かに頷いた。

「それに今回の事はあなた達が自分達で考えて行動をこしたのよ?
なら最後まで責任持って仕事をしないと。
私達は無責任な子供に育てたつもりはないわよ?」

キリル姐さんが言う事はごもっともだ。

あのクズ四人に対して私達の怒りは収まってない。
が、それと仕事は別物だ。

それがわかっているのだが...。

なかなか言葉に出せずに困惑している私に変わってブルーム兄さんがキリル姐さんに物申したのだ。

"そんなこった俺たちもわかってる。本当はギルドにも顔を出しにいかないといけないし、あの建物も完成させないといけないのは...。
 でも、許せないんだ!アイツらのした事が。
何より、アイツらの行動を止める事ができずに弟を...ローダンを傷つけた事が兄貴として許せないんだ。"

ブルーム兄さんの言葉に私達兄弟を含めて、キリル姐さんや盗み聞していた保護者達も驚いていた。

"俺は、兄貴だ。兄貴は兄弟を護り、助ける存在だ。
それなのに...おれは呑気に皇太子と話をしながら楽しく作業をしてたんだ。
弟達が傷つけられている中。
そんな自分が情けなくって...。"

両手で強く拳を握るブルーム兄さんの指の隙間から血が流れているのに気付いた私は慌てて兄さんの手を握って回復魔法をかけた。

"兄さんは悪くないわ。兄さんは兄さんの役目を果たしてたわ。"

私の言葉にブルーム兄さんは驚いていた。

"そうだよ。兄さんはちゃんと人間とドラゴンの橋渡しとしての役目をこなしていたよ。
人間界の国の代表である国王や皇太子とちゃんと意見交換してるのは知ってるよ。"

"僕達がダメだったんだ。ちゃんと彼らと向き合わなかったから...。"

「向き合う以前に奴らの方がこっちを敵対ししてたから無理だったがな...。それでも方法を模索しなかったのはこっちのミスだ。」

"そうよ。遠慮なしに早くからボコってたら良かったわ!
そうすれば生意気な態度を取らせなかったわ!"

"いやいやスノー!君がボコると相手は死んでしまうからね?
あの時の尻尾の攻撃も殺す気でやったでしょ!"

"当たり前じゃない!!私達の可愛い弟にあんな真似してきたのよ!
死んで当然でしょ?"

"えっ!駄目だよ!姉さん!相手は王子だよ?!"

"はっ?!あんなクズが王子なんてこの国も終わったもんよ!
国民のために滅ぼすべきよ!"

「お前なぁー...。それだと戦争がおこるぞ?それは不味いだろう?」

"だって、弟が傷つけられたのよ?!黙ってられるほど優しくないわ私!!"

"それは知ってるけどよ?スノーやりすぎはまずいぞ?!"

"何よ!傷一つつけないでしょ?!本当は骨の一本や二本へし折ってやりたいのをかなり我慢したんだからね!!"

気付いたら兄弟で言い合いになっていた。

言い合いと言っても私対四人という圧倒的に私が不利な状況に見えて私の方がいいまかしている感じがあるのがすごい光景だった。

キリル姐さんはその状況をただ静かに見守っていたのだった。

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