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第一章 

1-121 兄弟で思い付いた事

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 人間界でドラゴンの子供が迷子になっていた事件から以降、ほぼ毎日のようにドラゴン関係の依頼が私達に舞い込んでくる様になった。

内容は様々。
薬剤師達から薬の素材としてある特定のドラゴンの血や鱗、涙が欲しい。

武器・防具屋から強化などにドラゴンの牙や鱗が欲しい。

冒険者ギルドやドラゴンの里周辺の街・町や村からドラゴン対応として正しい知識を教えて欲しい。

ドラゴンの里からは注意すべき人間はいるのか?

人間と遭遇した場合どうしたらいいのか?

人間の世界で採れる木のみやキノコ類などの食材が欲しいので代わりに購入して欲しいなど本当に様々だった。

そなため私達の両親はほぼ毎日の様に人間の世界とドラゴンの里を行き来しているのだった。

ドラゴンにとって往復はたいしたことごないが、こう毎日だとさすがにキツそうだった。

そこで私達兄弟はある事を思い付き私とフレアとローダンが冒険者ギルドに、兄二人がドラゴンの里に思い付きを話に行く事にした。

もちろん両親には内緒でだ。

"じゃー兄さん達頼んだよ。"

"そっちこそ。ぬかるなよ!"

こうして二手に分かれてそれぞれ行動を開始した。

私達が思い付いた事とは...。

「はっ?!この街のドラゴンの里との境界部分に専用のギルドを増設するだと?!」

"ドラゴン族も人間も出入りができるギルドをか?!"

そう。世界初の試みをしようと思ったのだ。

ドラゴンと人間が共存する世界なのにそういった建物がない事に気付いたのだ。

ドラゴンの里は人間が生活するには厳しい環境下にあるが資源は限られている。
しかし、人間界にない素材や資源沢山ありそれらは人間の冒険者や剣士なんかが身につける防具や武器によく使われるものが多いのだ。

そして、人間達の住む世界はドラゴン達が住んでいる環境よりかは過ごしやすい場所にあるためか、ドラゴンの里にはない食物類が豊富なのだ。

"だからね、いっそうの事ドラゴン族と人間の両方が交流できる場を設けようと考えたの。"

"親父達が今みたいに毎日両方を行き来するのもありだとは思うけどよ、いずれは限界が来るからな。"

「でも、これらの事を考えると双方の交流が途絶えるのは良くない気がします。
せっかく今少しずつですが、双方の関係性が良くなってきているのですから。」

"最初からなんも上手く行くとは私達も考えてません。しかし、いずれかはぶつかる壁(問題)です。
なら、自分達がこうやって動けるうちに基礎を築けたらとおもったんです。"

"これからも一つの世界で共存するだからね?ギスギスする関係より皆んなが笑顔で手を取り合って生活する方が良いでしょ?"

"私は、私達は二つ環境のおかげで救われたわ。ドラゴンの里がなかったら元々産まれなかったし、人間の世界がなかったらこうやって家族や仲間と楽しく過ごせなかったわ。
助けられた恩は返したいの。"

""お願いします!""

私達の言葉を聞いて冒険者ギルドのギルドマスター、ドラゴンの里の長老達は少し考えさせてくれと。

しかし前向きにとの返事を貰えたのだった。
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