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第一章 

1-116 目醒めたドラゴンの子供

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 私が《龍気》について例えを使って説明した内容をなんとか理解してくれた。

その例えを私に教えた人物についても納得してくれた。

しかし...。

"ここまで龍気が弱っていたら大変だよ。
下手したらこのまま目覚めない可能性もあるね。"

ラース兄さんの言葉にギルドマスターとツルピカさん達は困惑した表情を再度浮かべたのだった。

「それは困る!どうにかならんか??」

ギルドマスターはむさ苦しい顔をさらにむさ苦しくして私達に詰め寄ってくる。

ラース兄さんとブルーム兄さんはそんなギルドマスターを押しのけようとしていた。

私は再度寝ているドラゴンの子供の側へ行きもう一度状態を見るために身体に触れ神経を集中する。

自分の魔力を流しながら他に障害がないかを確認していくと...。

"あっ!"

思わず私がこぼした言葉に兄弟とギルドマスター達が反応した。

「おい?どうした?なんかあったのか??」

ギルドマスターの言葉に私は苦笑いをしながら答えた。

"私...また、やっちゃったみたい。
この子の龍気を回復させちゃった。てへぇ。"

私の言葉に皆んな目が点になっていた。

そして、私がはははって笑っていると何かが動く気配を感じた。

私は気配を感じた方を見ると...?!!
先ほどまで眠っていたドラゴンの子供が目を覚ましたのだった。

私は目を開けたドラゴンの子供と視線があった。

ドラゴンの子供は一瞬私を見て警戒をして牙を剥いたが、鼻を動かした時何かを感じ取ったのだろう。

警戒をとき剥いていた牙を引っ込めて私の手に頭を擦り寄せて来たのだった。

"あら。私が仲間ってわかったのね。初めまして、私はスノーよ。あなたは?"

私の手に擦り寄ってくるドラゴンの子供にゆっくり話しかけると、ドラゴンの子供は質問に答えてくれた。

"私ねラキュアって言うの。お父さんやお母さんの言いつけ守らずに、お兄ちゃん達と巣を抜け出したら迷子になったの。
一緒にいたお兄ちゃん達とはぐれてね、困ってたら人間に見つかって...。
連れ去られそうになった時に別の人間がきてね、急に痛みが襲ったの。痛くて苦しくって...寝てたらね、暖かいモノが流れて来てね、起きてって言われたから起きたの。"

ラキュアと名乗ったドラゴンの子供はゆっくりと自分の身に起きた事を話してくれた。

ラキュアの言葉をギルドマスターとツルピカさん達に話をした。

ラキュアはドラゴンの言葉しか喋れないので、ギルドマスターやツルピカさん達にはなにを言っているのかわからないからだ。

私の説明を聞いたギルドマスターは、ツルピカさん達にこの子を連れて来た冒険者に側にドラゴンの子供が別にいなかったか確かめるよう伝えたのだった。


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