ドラゴンなのに飛べません！〜しかし他のドラゴンの500倍の強さ♪規格外ですが、愛されてます♪〜

第一章

1-109 フレアの知られざる出生の秘密

　私達兄弟は子供の頃に人間の世界へ来てから居住地を変更していなかった。

ずっと同じ場所で過ごしているからもう周りの人達は家族同然の様な人達ばかりだ。

私達兄弟が家から街へ向かうとすれ違う人達は皆んな声をかけてくる。

これもフレアの祖父であるライデンのおかげなのだ。

フレアの祖父であるライデンの家は今では街の子供達の学校となっている。

校長はライデン、副校長はライフェルおじさんで教頭はティティおばさん。

教員には私達の両親とガジマルおじさん、ティファナ姉さん、ライティおじさん、コスモおじさん、そしてキリル姐さんがいるのだ。

この学校に関しては国から認可されており、運営資金の一部は国と街が負担している。

残りはおじさん達が冒険者として貯めていた資金を切り崩しているのだ。

それでも十分ゆとりある教育が施されている。

下手したら王都の学校より数段いい場所なのだ。

最初は私達兄弟にフレア以外の人間の友達が必要では？と言う意見から始まった。

フレアにも私達以外の人間の友達が必要だと感じた保護者達が何か方法はないかと考えたのが、習い場だった。

ライデンが住んでいた家を改装して近くの街の子供達に最初は無償で勉強を教えると言う口実から始まったのだが...。

今や原型をとどめず改装に改装を重ねて立派な学校となったのだ。

そんな学校で学び育った子供達の中には今私達が指導している新人の冒険者達の中に混じっている。

私達ドラゴンは成長がゆっくりだが、人間の成長は早い。

数年前まで泣きべそかきながらおじさん達の授業を受けていたのにね...。

そんな事を思いながら私達は彼らが1日でも冒険者として生き延びれる様に扱くのだ。

"しかし、フレアって人間なのに私達と成長スピードが一緒よね？なんで？"

新人の冒険者達の指導休憩の合間に以前より気になっていた事を質問してみた。

"あっ！それ俺も気になってた。人間なのに俺たち並みに頑丈だよなぁー。"

"確かにそれもそうですよね。"

"うん。僕も不思議だった！！"

私達の質問に不思議そうにしながらもフレアは普通に答えてくれた。

「俺の母さんドラゴンだよ？俺、人間とドラゴンのハーフ。」

フレアの思わぬ一言に私達は驚きすぎて息を止めてしまった。

えっ？ティティおばさんが...ドラゴン？？？

私達兄弟はフレアの母親であるティティおばさんを思い浮かべた。

しかし、私達の記憶にあるティティおばさんは天然でおっちょこちょいの人間の女性としか認識がなかった。

"えっ？？ドラゴン？？うそでしょう？"

"ドラゴンって言ったら平手で岩を砕いたり、足蹴りで鉄を砕くんだぞ！"

"力加減が中々難しくって、案外乱暴なんでさよ！"

"そうだよ！"

「それってお前達の母親を基準にしてないか？俺の母さんああ見えてちゃんとドラゴンだぜ。確か木龍という種族らしくって、ドラゴン族の中では比較的に弱い種族らしい。」

フレアの言葉に私達の頭はパンク寸前となった。

休憩が終わっても身がなかなか入らずいつもよりキツい扱きを与えてしまった。

午後からは仕事を急遽お休みにさせてもらい家に帰り真相を確かめることにしたのだった。