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第一章 

1-91 街の大人達からのお願い?

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 この日も兄弟とフレアと一緒に街へお買い物に出てきていると、私達目掛けて数人の大人達が押し寄せてきた。

一瞬身構えると見慣れた顔がちらほら...。

そして、いきなり私達の前で土下座をしましたのだった。

あまりの出来事に固まる私達。

すると大人達の代表的な人と思われる男性が言葉を発したのだった。

「お嬢ちゃんでも誰でもいいんで、今度ウチの若手の冒険者達と一緒に依頼を何回かこなしてくれんだろうか?」

なんと、その男性はこの街の冒険者ギルドのギルドマスターだった。

あまりの事にえっ??となる私達。
それとは反対に冷静なフレアが男性に質問した。

「なんで?僕達まだ子供だよ?」

そうなのだ。
力や能力的には大の大人達を凌駕するのだが、私達はまだまだ子供だ。

フレアは六歳、兄二人は七歳、私もフレアと同じで六歳、弟は五歳なのだ。
(私達兄弟の年齢は人間に合わせた年齢配分だ。ドラゴンだとまだまだ三歳程度なのだ。)

「そ、それはわかってるんだ。しかし、最近若手の冒険者ばかりが狙われる時間が頻発していて...このままでは次の冒険者が育たないんだ!!」

そう言って話す男性。
周りの大人達も頷いていた。

"そういや父ちゃん達が言ってたなぁー。若手の冒険者が高ランクの魔物に狙われているって。"

"そうでしたね。そんな話してましたね。運良くて体の一部を欠損。運が悪ければ胃の中でしたっけ?"

"そうなの?知らなかった。"

"姉さん...。"

「それなら尚のこと俺たちに頼むのはおかしいですよ。」

無表情のまま冷徹に話すフレア。
本当に六歳児?!という感じがするは気のせい...だろうか...。

すると、見知った顔ぶれの一人が声を上げた。

「だって、そこの嬢ちゃんなんか下手な大人達より強いぞ!俺なんか何回も命を助けてもらったぞ!」

"あっ!あの時のツルピカさん!"

そう。彼はたまたま野苺取りに入った別の森で、毎回魔物に狙われて逃げている冒険者。

遭遇するたびに助けているのだ。

助けた代わりにいつも野苺取りに協力させているのだけどね。

"ツルピカさん。それに、タリムさんにモリンさんまで。"

「お嬢ちゃん!頼む!」

「私からもお願い!」

ツルピカさんの隣にツルピカさんのパーティー仲間の二人もいた。

「スノー知り合い?」

"うん。前に話した野苺取りに行くたびに魔物に襲われて逃げている人たち。"

"あ!野苺取りの仲間か?!"

"あの野苺美味しいですよね。"

"僕も好き!"

いつの間にか私達の会話は野苺に切り替わってしまった。

それでも大人達は土下座をしたままお願いしているのだった。

"助けてもいいよ。"

そんな彼らに私はそう返事した。

するとフレアは嫌な顔するのですかさず私は次の言葉をはっした。

"ツルピカさん達も一緒ならいいわよ。
そんで、いつものように野苺取りに協力してね。"

私が笑顔で言うと大人達は喜んでいた。
ギルドマスターなんか、こいつらなら好きに使ってれ!とまでいってきたのだった。

こうして私達は大人達のお願いを聞く事にしたのだ。
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