ドラゴンなのに飛べません！〜しかし他のドラゴンの500倍の強さ♪規格外ですが、愛されてます♪〜

第一章

1-83 原因が判明！？

　勇気をもらった言葉だが、あれから数日経っても私の体は元に戻る気配がなかった。

あの日から既に10日は経っているのに...。

毎日兄弟皆んなで同じものを同じ時間に食べているのに...。

元に戻る気配どころか、日々少しずつ成長している気がするのは気のせい？なのか...な？

急に成長した私の体で過ごして2日目。
髪が一気に伸びた。

兄弟達は伸びた私の髪に絡まったりして、おおかた窒息しかけていた。

３日目。胸のあたりが少し膨らみを持ちはじめた。

４日目。切ったはずの髪の毛がまた伸びた。

５日目。やはり胸のあたりが少し膨らんでいる。

６日目。またまた切ったはずの髪の毛が伸びている。

７日目。腰回りにくびれができてきた気がする。

8日目。切ったはずの髪の毛がまた伸びている。

９日目。やはり胸が大きくなって、今ではリンゴサイズになっている。

そして、10日目。切ったはずの髪の毛が伸びて、今度はふるゆわカールが付いている。

なぜ？？？？

キリル姐さんは変化が起きて３日目あたりから森の奥へ向かったきり帰って来なくなったし...。

そして、なぜかドラゴンの姿に戻れないし...。

切っても伸びるので、今回は切らずにお母さんが邪魔にならない様に髪の毛をセットしてくれた。

"お前の髪の毛凄いよなぁー。切っても切っても直ぐ伸びるし。"

"毎回兄さん絡まってますよね？"

"僕なんか今日しゃぶってたよ。"

お母さんにセットしてもらっている横で兄弟達がじっと様子を見ながらそんな事を話していた。

私も意識して伸ばしているわけでもないし...。

毎回切った髪は地面に落ちると直ぐ消えるのだ。

本当に不思議な仕組みだ。

"将来禿げたりして！"

"兄さんそんな事を言うものではないですよ！"

"そうだよ！失礼だよ！"

いや兄さんの言う事はあながち当たりそうで怖かった。

だって急に伸びて、切ったら消えてまた伸びるって...。

どんだけ栄養とってるの？！って感じだよ。

思いっきり凹んだ顔でいる私を心配する次兄と弟。

何か励ましの言葉を私に言おうとした時だった。

「わかったわよぉ～！原因が！わかったわぁー！！」

森の奥に行ってから帰ってこなかったキリル姐さんの声が外からしたのだった。

急いで外を見ると、キリル姐さんが誰かを連れて帰って...？きたのか？？

なんと、あの森であったお姉さんとクマの姿が！

"えっ！？お姉さん！！クマ？！！えっ？！！"

キリル姐さんは、クマとお姉さんを引きずりながら帰って来たのだった。

「原因はコイツらよ！！スノーちゃんと元の姿に戻れるからねぇー！」

嬉しい言葉と共に帰ってきたキリル姐さん。

しかし、原因がお姉さんとクマって...どう言う事？