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第一章 

1-74 兄弟だけで森へ

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 その為、いつも食卓で争いを起こすのは私と1番上の兄だ。

でもいつも怒られているのは兄ばかり。
なんと言っても行儀が悪いからだ。

口に物を入れたまま話して飛び散らしたり、テーブルに足を置いたりと...それはそれはやらかす兄なのだ。

それも毎度だ。
その度、お母さんの拳を喰らっているのに学習能力がないのも兄なのだ。

一度見かねたお母さんが個別に品を用意してくれたけど一緒だった。

食べるのが遅い弟やフレアから奪って食べるだ。

弟もフレアも、自分より体格の大きな兄が怖い様だ。

力は十分あるのだから対抗すれば良いのだが、末っ子気質が強い2人にはそれができないのだった。

だからいつも私が代わりに抵抗しているのだった。

紅一点の私だが、力でも頭でも兄に勝てるからだ。

本気で抵抗しても私に勝てないと本能で知っている兄なので、必要以上には抵抗しないのだが...食事となったら別の話なのだ。

さすがの兄も食事に関しては全力で刃向かって来るのだった。

もちろん受けて立つよ。
でもその前にお母さんの拳が飛んでくるって言う図解が出来上がっているのだった。

それでもめげないのが兄だ。

そこだけは尊敬するよ。

そんな兄いつもお母さんは繰り返し同じ言葉を伝えていた。

"兄弟なのだから、分け与えるという事を覚えなさい。
いい?私達がいなくなったら貴方達兄弟が、唯一の味方よ。
兄弟で助け合っていかないと、世の中そうは甘くはなくてよ。"

でも幼い兄にとったらその言葉はあまり素直に理解できる言葉ではなかった様だ。

2番目の兄や私達ですら理解できのに...。
一度兄の脳みそを見てみたいと、真剣に思った時があるぐらいだ。

 なんやかんや言い合いしながらも食事を平らげた私達。

お腹も満たされて、大人達の食事が終わるまで床でゴロゴロして過ごした。

すると、兄がおやつに甘いものが食べたいなぁーといきなり言い出した。

それに食いついた弟とフレア。

可愛い弟と弟分のフレアにせがまれて拒めるほど私は薄情ではなかった。

2番目の兄もやれやれと言った感じだ。

そこで兄が両親に話をつけて、私達だけで家の側の森に果物狩りに行く事になった。

安全な森なので危険はないだろうと判断された為だった。

食後の運動も兼ねて出かける私達。

でもその森で、そんな兄の幼稚な脳みそに刺激を与えて、お母さんの言った言葉を理解させる出来事が起きるのだった。

そんな事はその時まで私も兄弟も全く知らず呑気に籠を沢山持って出かけたのだった。

森を入ってすぐから沢山の森の恵みが実っていた。

キノコ類にはじまって、天ぷらにしたら美味しい山菜類など。

見るだけで涎が...。

とりあえず籠は沢山持ってきているので、取れるだけ取って帰る事に決めた。

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