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第一章 

1-69 1番上の兄の理解力は?!

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 「いや。9個だ。よく見ろよ。それ一個割れてるぞ。だから9個だな。」

なんと兄は計算ができていたのだった。
あれだけ訳の分からない回答を繰り返していたのが嘘の様に。

その場にいた全ての人が唖然とした表情で兄を見つめていた。

兄はキョトンとした顔をして驚いていた。

「えっ?間違ってるのか?」

不安そうに私に尋ねる兄。
私は静かに首を横に振るとホッとした表情を浮かべた。

「兄さん。失礼ですが、これならどうですか?」

そう言って2番目の兄が木のみをもう一個割った。
すると。

「そんなの簡単だよ。8個だろう?余裕だな。」

そう言って笑ってみせる兄。

「あってます。」

そう返事が返って来ると嬉しそうにする兄。

すると、キリル姐さんが兄さんの側に来て質問した。

「質問するわよ。木のみが8個あるわよね?3つ、私が食べたわ。残りはいくつ?」

今の展開ならきっと正解が言えるはず。
そう思いながら黙って兄の方を見つめていると。

「えっ?木のみが8個?3つたべる?...うーーーん。それなら、俺は4つ食べる!」

...。ええーーー。さっきスラスラと計算できてたのに?!!

するとキリル姐さんはあることに気づいた。
そして、木のみを手に取り先程と同じ質問をした。

「もう一度質問するわよ。ここに木のみが8個あるわよね?私が3つ食べるわ。」

そう言ってキリル姐さんが木のみを3つ食べた。

「で、残りはいくつ?」

すると兄はさっきとは打って変わって瞬時に回答したのだった。

「5個だよ。」

「やはりね。大丈夫。正解よ。」

そう言ってキリル姐さんは兄の頭を撫でて、この木のみ全部お食べと言って残っていた木のみを兄に渡したのだった。

そして、スッキリした顔でお父さん達の側に行き何やら話出したのだった。

「どうやらあの子。そこまでアホではないみたいね。」

「いや。アホだろう。」

「やっぱりアホなのかしら?」

「いいえ。あの子は言葉で言った質問に対して理解力が悪いだけで、実際に目の前で実践したことに関しては理解して答えていてわ。」

そうなんです。
1番上の兄は、読解力というのが弱くて文章を聞いたり見て回答を導くのができないのだった。

時間をかなりかけたらなんとかなるのだが、それより実際に目の前で物を使って教える方が理解力が速かったのだった。

この事がきっかけとなり、兄の勉強方法が変更された。

木のみや石などを使って目の前で実践して教えるやり方に。

すると、兄の理解力は今までのが嘘の様にスイスイと上達していったのだった。
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