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第一章 

1-56 しばらくお出かけ禁止?!かわりに

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 魔物を空高く飛ばしてくれたのは、魔女さん曰く、キリル姐さんだった。

私と兄達は涙を浮かべて、キリル姐さんの元へ走っていき抱きついたのだった。

「あらあら?大丈夫?魔物は初めて見たのかしら?」

そう言いながら、キリル姐さんは優しく撫でてくれた。

「良かった。キリルが来てくれて。」

「さすがだな。」

"ありがとう。キリル。"

"さすが、キリルだな。助かったよ。"

口々に御礼を言うと、キリル姐さんは笑顔を向けながら話出した。

「水晶で見てたら、貴方達に良くない影が付き纏っていたから気になってね。
それに、本当にお腹が空いて困ってたのよ。
貴方達が帰って来ないと、メシの支度はできんって言われるし。」

私達は、街に昼ごはんの材料の調達に行っていたのだった。

ちなみに、キリル姐さんは水晶を使って占いや遠見が出来るのだった。

私達兄弟が、誰かに付き添われて出かけるたびに水晶でいつも見張ってくれているのだった。

「詳しい話は、帰ってゆっくり聞くから、とにかく一瞬で帰るわよ。これいじは待てないから。」

そうキリル姐さんが言うと、私達の足元に魔法陣が現れて光に包まれた。

すると、いつの間にか私達は家の前まで戻って来ていたのだった。

私達が、魔法陣の光に包まれて消えた後、私達を付け狙っていた人影が数人現れたのだった。

「ちっ。伝説級の冒険者が護衛にいるのか...。」

「本当に、あの親子はドラゴンなのか?普通の人間にしかみえんぞ?」

「お頭がそう言うんだから間違いはないだろう。」

「でもどうするで?犠牲を払って誘き寄せた魔物も最も簡単にやっつけたし。
俺たちでは勝ち目はないぜ?」

「とにかく、しばらく街に来た時に張り付いて行動を観察するんだ。
親の方は無理でも、ガキの方はどうにかなるかもしれんからな。」

そんな物騒な話をしていたのだった。

もちろんその話は、キリル姐さん水晶に記録されているのだった。

そうとも知らずに...。

 キリル姐さんに迎えに来てもらって、私達はなんとか無事に家に帰ってこられた。

キリル姐さんの我慢の限界が突破する前に、急いでお昼ごはんの準備に取り掛かったお母さん。

ご飯ができるまでの間、私達はお父さんと一緒に過ごしながら、皆んなに街での出来事をはなしたのだった。

お父さんから街での出来事を聞いて、皆んなびっくりしていた。

しかし、途中で合流したガジマルとティファナ、そしてキリル姐さんの証言もあり事実であると確証を得たのだった。

「そりゃーまずいな。もしかしたら、お前さん達がドラゴンって言うのがバレている可能性があるなぁ~...。」

「そうだな。お前やスノーフェルなら何とか太刀打ちは出来るだろうが、チビ達では無理だ。
下手したら命を落としかねんなぁー。」

「どうやらそのようね。私の水晶に貴方達を尾行していた奴等の映像が保存されてるわ。
 貴方達がドラゴンって事がバレているみたいね。仕方がないわね。
暫く、家の周囲から出るのは禁止にしましょう。
買い物は、他のメンバーで対応する。
しかし、ここがバレても困るので途中の道で私がここまでの転移魔法を発動させるって事で対応していくしかないわね。」

こうして、私達一家は暫く外への外出が禁じられた。

そな代わりに、皆んなから闘いの術を学ぶ事になったのだった。
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