ドラゴンなのに飛べません！〜しかし他のドラゴンの500倍の強さ♪規格外ですが、愛されてます♪〜

第一章

1-49 強制的に同居になりました

　人間の世界での生活は、想像以上に難しかった。

まず、翼を使って飛ぶ事が許されるのは、家の中のみ。

外では絶対許されなかった。

飛び跳ねる、歩く、走るのがこんなに大変なのかと思った。

お父さんやお母さんは、簡単にできたのに...。

それが、私達は悔しかった。

その為、お父さん達の友達の彼らの協力を得て"人間"としての振る舞いを学んだ。

なんたって、今は人間に見えるのだから。

自分達の視点からは、普段のドラゴン姿にしか見えず、ついついやらかしてしまう。

しかし、お父さん達の友達の彼らに見える私達は、年相応の"人間の子供"の姿に見えていたからだ。

最初の頃は、朝ごはん食べた後彼らの所に行って過ごしながら学ぶか、彼らが我が家に来て教えてくれるかだった。

が。がだ！
私達兄弟の覚えが、思ったより悪かったのか...いつしか、彼ら家族は自分の家に帰らず私達の家に、私達家族と住む様になったのだった。

なぜそうなったかと言うと...行き来するのがほぼ毎日というか...毎日だったのと、面倒になったのもありお父さん達が話し合って決まったのだった。

というか、ゴリ押しされたの方が正しい。

「おめえ～の家と俺の家。往復するのは、構わねえ。運動にもなるしな。
しかし...しかしよぉー！
朝から晩まで、毎日。それはない！！
それなら、どちらかの家で一緒に住んだ方がいい！！
そうだ。そうしよう。お前の家新築だから、こっちにしよう。
客？あー、そんなの心配いらない。
もう既に、家のドアに"暫くこの家は留守にする。急ぎの場合は、伝書鳥を出してくれ。"って、張り紙してきた。ていう事だから、今日からよろしく！」

と、なったのだった。

さすがの両親も、彼の気迫に押されて何も言い返せなかったようだ。

知らない人でないし、私達も懐いているのでっていう事だろう。

そうでなかったら、お母さんが必殺技を決めてるはずだから...。

こうして、私達の生活は日々楽しい物になった。

人間として過ごす訓練だけでなく、魔法や危険な人間に捕まった時の対処方法なんかも教えてくれた。

ドラゴンは、人間の世界ではかなり貴重な存在らしい。

私達そのものが、かなりの値打ちになるらしく、見つかれば子供のドラゴンなら生きたまま。

大人のドラゴンなら、死骸でもお金や薬になるので、人間は逃してくれないらしい。

よっぽど強いドラゴンか、人間とコネクションがないと、この人間のいる世界では生きていくのが難しいとも教えてくれた。

「お前さん達の両親が、こうやって人間の世界での生活できるのは、強いのもあるが、俺や俺の友人達と仲良しだからだ。
俺たちは、友を決して裏切ったり見捨てたりしない。だから、何かあればお互い助け合うんだ。だからこうして生活がお互いできるんだよ。」

彼のその言葉に、両親は微笑んでいた。

どうやら本当のことらしい。

私はそんな両親と彼らの関係性が羨ましかった。

いつか自分にもそんな友ができたらと思ったのだった。