上 下
17 / 664
第一章 

1-15 お父さんの御怒りとお母さんの護り

しおりを挟む
 お母さんは、私の言葉を聞いて特に願った事には問題はないと感じた。

しかしだ。ふと今まで私に魔法を教えていた時の事を思い出していると、ある事に気づいた。

炎の魔法の時は、初級魔法が特級魔法級に。
風魔法も水魔法も、他の魔法もだ...。

魔法を次々と覚えてくれるので、自分も楽しくなりどんどん教えたが、もしかしたら...この子はとんでもない子なのかも...。

お母さんは、今まで所々で気付いてはいたが、"気のせい"で終わらせていた"事実"に直面していたのだ。

お母さんが眉間に皺を寄せたまま動かなくなったため、私達は不安になった。

どうしようかとウロウロしていたら、朝から留守にしていたお父さんが帰ってきた。

お父さんは巣の近くに来て、ある事に気付き首を傾げながらその場にとどまった。

〔???あれ?あそこは、私達の巣で、あそこにいるのは、私と愛する妻との子供達だ。
しかし、あそこにいるのは....???
あれ?見覚えはある...。
しかし、それは数百年も前のはずだ...。
でも、愛する妻を見間違えるはずはない...でも、あの姿は?〕

お父さんはずっと心の中で呟いていた。

目の前の光景をじっーーーと見ながら。

すると、お母さんが覚醒してお父さんの気配に気付いて、声をかけた。

"良かったわ!あなたお帰りなさい。"

お母さんは、そう言って微笑んだ。

その姿を見て、お父さんは驚いた。

"えっーーーーーー!!"

お父さんの声に、私達は驚いて兄弟で抱き合った。

"えっ??ハニー?かい?えっ?でも?えっ????"

お父さんの狼狽えた姿に、お母さんは段々イライラしだした。

"えっ?何?なんでそんな反応なの?私よ?分からないわけないわよね?
ずーーーーっと一緒に居たのに。
どう言う事なのかしら?"

段々ドスの効いた声でお父さんは、目の前のドラゴンが自分の愛する妻だと確信をもったのだった。

"ごめんよ!君があまりにも美しくなったから驚いただけだよ!"

お父さんは一生懸命お母さんに謝った。

するとお母さんは、お父さんの言葉で機嫌が治って笑顔になった。

そして、恐る恐るお母さんに何があったか確認した。

そこで、今まで内緒にしていた事を言う事にしたのだった。

お母さんは、私達をお父さんの被害にならない様に匿ってから、お父さんに話し出した。

お母さんの話を聞いて、オロオロしていたのが嘘のように、今度はお父さんがお怒りモードに入ったのだった。

"どう言う事だ...。全く知らないぞ、そんな話は..."

お父さんの声色や表情、纏うオーラが変わった為、お母さんは自分の周りに防護壁を張ったのだ。

私達を守る為に。

お父さんは、怒りが押されられず怒りのオーラ全開で、威圧が凄がった。

まさに龍王たる威厳あふれる威圧感だった。

お母さんが防護壁を張ってくれたおかげで私達は、その威圧感から護られていたが、どうやらお父さんの威圧は想像以上のようで、お母さんの張った防護壁に亀裂が入りだしたのだった。

お母さんはなんとかしようとしたが、私達を護っているため下手に動けなかったのだ。

このままでは、防護壁が...。

防護壁に大きな亀裂が入り、もう危ないっとお母さんが思った時だった。

私は先程お母さんから習った回復魔法を使ったのだ。

"まくさん治って、分厚く私達を守って。お父さんのぷんぷんどっか行って!
ムサイおじさんのお父さんじゃイヤ!
カッコいいお父さんに戻って!ヒール!"

私はそう言いながら、防護壁とお父さんに向かって回復魔法のヒールを使ったのだった。



しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

今日から悪役令嬢になります!~私が溺愛されてどうすんだ!

恋愛 / 完結 24h.ポイント:255pt お気に入り:4,343

これがホントの第2の人生。

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:864

僕の従魔は恐ろしく強いようです。

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:99pt お気に入り:3,355

エルーシアの物語

恋愛 / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:404

魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:837pt お気に入り:9,826

[完結]全く違う環境で育った兄弟が望んだモノは…

恋愛 / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:16

転生鬼人の異世界生存記

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:8

処理中です...