異世界親父騒動記

第六章 親父たち、追う者と追われる者

閑話 モルモットマンの受難

　ここは元の世界で言う所のフランス・パリ。
　前回（詳しくは閑話　モルモットマンの苦難を参照）。
　子供たちによって、ひどい目にあわされたモルモットマンはまたピンチを迎えていた。
「モフモフダイブ！」
　そう言って、モルモットマンにボディプレスを繰り出す（クラッシュレンジャー一号ことシトロエンではない）覆面レスラーに襲われていた。
　なぜ？こうなったのか？
　それは五分ほど前に時間を遡る。
　モルモットマンが子供たちに注意しながら、路地裏を進んでいる所に、突然現れた覆面レスラーが「我が名はモフモフマスク！モフモフさせろ！」と荒い鼻息と手をワキワキさせながら、叫んだ。
　どこからどうみても危ない人にしか見えない怪しい覆面レスラーモフモフマスクに、　モルモットマンは本能的に危険を察知し、「断る！」と言って逃げの一手を選択したのだが、モフモフマスクは「ならば、実力行使！」と言って襲いかかって来た。
「モフモフドライバー！」
　プロレスのパイルドライバーと同様の技を繰り出すモフモフマスクによってモルモットマンは戦闘不能になった。
「勝者の権利を頂く！」
　そう言って、モフモフマスクは倒れているモルモットマンの腹に顔をうずめてモフモフしながらモルモットマンの何かを吸った。
　三十分後。
　現場にたまたまやってきたクラッシュレンジャーが見た光景は、身も心もボロボロになったモルモットマンだった。
「気のせいか？モルモットマンの顔がこころなしか、やつれている気がするんだが……」
「奇遇だな。俺も同じことを考えていた」
「おい！モルモットマン！なにがあったんだ？」
　クラッシュレンジャー一号ことシトロエンは声をかけたが、それは失敗だった。
　シトロエンの格好は覆面レスラー。
　モルモットマンは覆面レスラーの格好をしたモフモフマスクに襲われていた。
　結果、シトロエンを見た瞬間モルモットマンは「覆面！」と大声を上げて気絶した。
「シトロエン……お前…モルモットマンに何をしたんだ？」
「何もしていない！無実だ！」
「だが、モルモットマンの怯えよう普通じゃない！」
　仲間であるシトロエンに疑いの目を向けるクラッシュレンジャー達。
　まさか自分達の仲間であるシトロエンのような格好をした変質者がいるとは夢にも思わなかった。
　この後、モルモットマンが目覚め、事情聴取を行うまで、シトロエンは仲間たちから疑いの目を向けれることになる。