異世界親父騒動記

マサカド

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番外編

番外編 親父たちと米

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「読者の皆様、こんにちわもしくはこんばんわ。司会担当の冒険者パーティードリフターのリーダーをやっております村正です。今回の番外編のテーマは『米』。身近にある主食をテーマに送りたいと思います。ではどうぞお楽しみください!」

 親父たちは悪夢にうなされていた。

[影の場合]
 ここは、某スーパーの米コーナー。
影は呆然としていた。
「米がないでござる!」
 米コーナーは袋めんコーナーに変わっていた。
「な……ぜ……?」
 影の疑問に答えてくれる人はいなかった。

[ブドウの場合]
 ここは某酒屋。
 ブドウは絶望していた。
「さ、酒がない!」
 日本酒が飲みたくて、買いに来たのに日本酒がなかった。
「大吟醸酒も純米酒もにごり酒もない!」
 日本酒が買えなかったブドウは、代わりにビールを大量に買って、やけ酒を始めた。
 飲兵衛(ブドウ)はブレなかった。

[教授の場合]
 ここは某米屋。
 教授はある仲裁を行っていた。
「うむ、なぜ?私はこんなことしなければならないんだ?」
 「米を売れ」と言う殺気だった住民。
 「お得意様の分」と主張する米屋さん。
「け、警察呼んだ方が早いような気がするんだが……」
 教授の意見に誰も耳を貸さなかった。

[軍曹の場合]
 ここは某自衛隊駐屯地の調理場。
「米がないであります!」
 軍曹は米を炊こうとしたが、肝心の米がなかった。
「困ったことになったであります!」
 食事の時間は刻一刻と迫ってきていた。

[村正の場合]
 ここは某大通り。
 村正はある物を抱えて逃げている窃盗犯を追いかけていた。
「あの窃盗犯!なんであんなに足が速いんだ!」
 窃盗犯が盗んだ物。
 それは米(10キロ)。
「あの速さは異常だろう!」
 村正は窃盗犯を追い続けた。

「「「「「という夢を見たんだ(でごさる)!」」」」」
 親父たちは昨夜見た悪夢の話をしていた。
「米泥棒なんて、昭和のコントみたいな話だな!」
「まったくだ!」
「うむ、平成米騒動があったから、古いネタとは言い難いよ!」
「確かにでござる!」
「肯定であります!」
「うむ、しかしわからないことが一つあるよ!」
「教授!それはなんだ?」
「うむ、全員が同じような悪夢を見ることなんてあるのか?」
「言われてみれば……」
「米以外に共通点がないでござる!」
「肯定であります!」
「うむ、何かよくないことの前触れ出なけらばいいのだが……」
 米を食べるために旅を続ける親父たちは気づかなかった。
 元いた世界では米が不足していることを……。
 そんな親父たちは目的に向かって、今日も旅を続けるのだった。
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