異世界親父騒動記

第六章 親父たち、追う者と追われる者

閑話 世界情勢（衝突戦隊クラッシュレンジャー出動）

　親父たちが、間抜けな変装で逃亡している頃。
　元いた世界でいうところのフランスのパリでは、正義漢のあるマッドサイエンティストによって改造人間にされた元鉄仮面の手下たち、またの名をクラッシュレンジャーと親父たちを追うスペクター・リベンジャーズの対決が迫っていた。
「改造手術はたんなる気休めでしかすぎない。真の武器は己の知恵と勇気だと知りたまえ！クラッシュレンジャー出動だ！」
　そう言ってマッドサイエンティトは元鉄仮面の手下Ａ・Ｂ・Ｃを三つの大砲に装填した。
「なんで大砲に装填した？」
「簡単だよ！走るよりそっちの方が速いからだよ！」
　理屈はわかるが、納得はできない返答を言うマッドサイエンティト。
「どこかのサーカスの人間砲弾か！絶対に危ないだろうが！」
「この程度では死なないように改造しているから大丈夫だよ！」
　安全性は全くないセリフをマッドサイエンティストは言った。
「死んだら、呪ってやる！」
「非科学的な事を言うのはやめたまえ！」
　そう言って、マッドサイエンティストは大砲を点火した。
　大砲から発射されるクラッシュレンジャーたち。
　彼らは無事スペクター・リベンジャーズの元に辿り着く……………………のかな？

　結果だけ見れば、クラッシュレンジャーはスペクター・リベンジャーズの元に辿り着いた。
「ひどい目にあった！」
「だが、目的地に着くことができたな！」
「そうだな！　頭から地面に突っ込んで、でかいタンコブを作った事を除けばな！」
　クラッシュレンジャー達の頭にはでかいタンコブが点滅した信号のように光っていた。
　そんなクラッシュレンジャーと対峙するスペクター・リベンジャーズたちは、どんびきしていた。
「なんなんだ？あいつらは……」
「空から飛んできたと思ったら……」
「頭から地面に突っ込んで……」
「でかいタンコブ作って……」
「立ち上がった……」
　この状況にスペクター・リベンジャーズの面々はクラッシュレンジャー達を「新手の変質者たち」と認識した。
「あいつら、変装した親父たちのパクリ集団だ！」
「確かに、前に鉄の仮面をした変態がいたから間違いないな！」
「どんだけ変態が多い所なんだ！ここは?」
「とりあえず関わり合わない方がいいな！」
「見なかったことにしよう！」
　その場を離れようとするスペクター・リベンジャーズたち。
　その後を追いかけるクラッシュレンジャーたち。
　両者の追いかけっこは始まったばかりであった。