異世界親父騒動記

第五章 親父たちと砂漠

親父たちVSトラッパー・ナーワ１

前回までのあらすじ
親父たちの殺気により魔物たちは逃亡し、追い詰められていくダンジョン一族。

　ダンジョン一族は親父たちによって追い詰められていた。
　己の手足になって働く魔物は一匹も残っていなく、親父たちは迫ってくる。
　その為、この状況を作りだしたナーワにダンジョン一族の長達は責任を押し付けた。
「「「「お前の責任だ！あの侵入者たちを始末しろ！」」」」
　こうしてナーワは親父たちを撃退する為に、親父たちが向かっているフロアの一本道に様々なブービートラップを張り巡らし、自身が守るフロアも罠を張り巡らし、親父たちが来るのを虎視眈々と待っていた。

　一時間後。
  ナーワのフロアに親父たちは現れなかった。
　二時間後。
  ナーワのフロアに親父たちはいなかった。
　三時間後。
  ナーワのフロアに親父たちはもちろん来なかった。
　なぜか?
　その頃、親父たちは……。
「また、罠があった！」
「三時間かけて三十メートルも進んでいないでござる！」
「何個目だ！数えるのも馬鹿らしくなってきたぞ！」
「うむ、では罠を解除しよう！」
「了解であります！」
　一個一個罠を排除していたからナーワのフロアに着くのが遅れていた。
「軍曹がこの手のことに長けていてよかったよ！」
「教授！また手が滑って、罠が起動したなんてことは無しで頼むよ！」
「うむ、大丈夫だよ！」
「本当に大丈夫なのか心配でござる！」
「肯定であります！」
　そんな親父たちの心配をよそに教授はうっかり手を滑らせて、矢の雨が降って来た。
　
五分後。
「「「「教授!!」」」」
「うむ、ミスは誰にでもあるよ！」
　そう言って教授はパイプに火を付けて、煙幕を張った。
「「「「誤魔化すな（でござる）!!」」」」
　通路に親父たちの叫び声が木霊する。