異世界親父騒動記

第五章 親父たちと砂漠

親父たち、魔物を逃亡させる！

前回までのあらすじ
親父たちは門番のサイクロプスをミンチにした。

　親父たちとの総力戦を挑むため、ダンジョン一族は魔物たちを集め………………られなかった。
「なせだ！なぜ魔物がいないんだ？」
「わかりません！どこにも魔物たちがいないんです！」
　魔物がいない異常事態に困惑するダンジョン一族。
　なぜ、魔物がいないのか？
　答えは親父たちが発する殺気によって、魔物たちは本能に従って地上に向かって逃げたからだ。
　そして、魔物の中にも鈍臭い者はいる。
　その鈍臭い者が転び、その上を別の魔物が踏みつけて逃げる。
　踏みつけられた鈍臭い者は、踏まれてはたまらないと誰かの足を掴む。
　足を掴まれた魔物は転び、また踏まれる。
　その繰り返しが続き、地上に脱出した魔物は当初いた数の三分の一にも満たなかった。
　地上に脱出した魔物たちは親父たちの元から少しでも遠くに逃げようとして砂漠に散って行った。
　しかし、元々ダンジョンに適応した魔物が砂漠に適応できるわけでもなく、次々と砂漠で倒れていった。
　倒れたのは魔物だけではない。
　親父たちを生贄にしたオアシスの住民達は逃げる魔物たちの突進によって、家屋は潰れ、住民ははねられ、怪我を負った。
　こうしてダンジョン一族のシステムは完全に崩壊した。