異世界親父騒動記

番外編

番外編 親父たちの正月

「読者の皆様、あけましておめでとうございます。司会担当で冒険者パーティードリフターのリーダーをやっております村正です。今日は元旦。よって今年最初の番外編は正月をテーマに送りたいと思います！どうぞお楽しみください！」

お年玉
「お年玉。楽しみにしている皆さんも多いと思います。我々のお年玉はどうでしょうか？」

　教授のお年玉。
　教授はゴルフボールを落とした。

ブドウのお年玉。
　ブドウは野球ボールを落とした。

影のお年玉。
影はバスケットボールを落とした。

　軍曹のお年玉。
　軍曹はボーリングの玉を落とした。

「みんな！もしかして玉を落としてお年玉という使い古されたギャグをやっているのかな？」
「うむ、その通りだよ！」
「右に同じ！」
「左に同じでござる！」
「肯定であります！」
　親父たちの返答に、村正は無言で刀に手をかけた。
　村正の行動に親父たちはそれぞれ別方向に逃げたした。
「村雨切り・カマイタチ!!」
　水の刃が親父たちを襲う。
　親父たちは村正の魔の手から逃れることができるのだろうか？
　それは誰にもわからない。
　ただ一つ言えることは新年を迎えても親父たちは平常運転だった。

一富士、二鷹、三茄子
「大変見苦しいものを見せてしまってすみません。次は初夢をテーマにお送りしたいと思います。富士、鷹、茄子の夢を見ると縁起がいいと言いますが、我々親父たちはどうでしょう！」

　教授の初夢。
　フジ、タカ、ナスビと名づけた合体ロボットの夢を見た。

　ブドウの初夢。
　富士山でナスビヌンチャクを武器に鷹と闘う夢を見た。

　影の初夢。
　自身が富士山、鷹、茄子に変化した夢を見た。

　軍曹の初夢。
　訓練で富士山に登っている時に茄子を加えた鷹の夢を見た。

「…………これって？縁起がいいのか？」
「うむ、ちょっと違うような気がする！」
「右に同じく！」
「左に同じでござる！」
「肯定であります！」
「仕方がない……せめて最後は正月らしく……」
「「「「新年！明けましておめでとう（でござる）!!」」」」
「拙者を外すなーーーーー！」
　新年から締まらない親父たちだった。