異世界親父騒動記

第五章 親父たちと砂漠

親父たち、脱出……できるかな？３

前回までのあらすじ
再々漂着した島がモンスターだったことに気づいた親父たち。
親父たちの次の行動は…………。

　親父たちは木を（殺意を込めて）切っていた。
　親父たちは木を（先端を尖らせて）加工していた。
　親父たちは木を（モンスターを倒すために）組み立てていた。
「潜伏しているモンスターを倒すのはスタートの町を目指して以来だ！」
「あのモンスターのせいで、とんでもない遠回りをしたからな！」
「そうでござる！あのモンスターと同じようにこのアイランド・タートルを！」
「うむ、倒そう！」
「肯定でありります！」
　親父たちは殺意丸出しで作業を進める。
　第三者が見えれば間違いなく、殺人を犯そうとする犯人たちに見えるだろう。
　ときおり「存在自体が害悪だ！」や「汚物は消毒！」などと、呟いている。
　あきらかに親父たちの精神は正常ではないのはあきらかだった。
　原因は親父たちがこの世界に来て、間もない頃に道を迷わせるモンスターとであったことによる過去のトラウマ。
（くわしいことは、親父たち、スタートの街に着くを参照してください）
　第三者がいれば、モンスターを倒すよりも脱出する方法を考えようと言うだろうが、そんな助言をしてくれる者が誰もいない。
　仮に居たとしても、親父たちは耳を貸さないだろう。
　それほどまでに親父たちの怒りはすさまじかった。
「うむ、この装置ができたら、一撃でモンスターを倒せるよ！」
「毒の方は？」
「問題ないでござる！」
「後は甲羅の厚さがどれ位かだが？」
「ブドウが解決してくれるであります！」
　親父たちの準備は着々と進んでいた。
　しかし、親父たちは一つ大事なことを忘れていた。
　アイランド・タートルを倒した後に海に脱出する船を用意していなかった。
　そのことに親父たちが気付くのはアイランド・タートルを仕留めた後だった。