異世界親父騒動記

第五章 親父たちと砂漠

親父たち、ピラミッド内部を探索する

前回までのあらすじ
ピミラッド型ダンジョンから魔物の死体を持ちだした親父たち。
魔物の死体を解剖しようと試みるが…………。

　ここはピラミッド型ダンジョン内部。
　四羽の鳥人間（親父たち）が歩いていた。
「まだ気分が悪い！」
「できの悪いB級ホラー映画を見た気分だ！」
「右の同じでござる！」
「肯定であります！」
　なぜ親父たちの気分が悪いかというと、教授が行った解剖という名の魔物解体ショーが原因だった。
　教授の不器用極まりない解体に親父たちは胃液が逆流しそうになった。
　そして先頭を歩いている教授を見つめた。
　教授は一人だけ近代的な防護服を身にまとっていた。
「なんで？教授だけまともな防護服なんだ？」
「教授が非力な上に一着分の材料しかなかったからでござる！」
「納得いく説明だが、納得できない！」
「肯定であります！」
　親父たちの愚痴の中、教授の足が止まった。
「うむ、どうやらゴールのようだね！」
「教授！ゴールって……」
「これは……」
「目を背けたくなる光景でござる！」
「肯定であります！」
　親父たちは目の前の光景に絶句した。
　通路から開けた場所に無数の魔物たちが鼻を文字通り曲げながら、倒れていた。
「これって……」
「間違いなく、臭い缶詰によるものだろうな！」
「うむ、鼻が九十度も曲がるとは……」
「常識的に考えられないでござる！」
「肯定であります！」
　そんな感想を述べた親父たちは後顧の憂いを断つために、倒れている魔物にそこいら辺の石で、または魔物の持っていた刃物でとどめ刺していった。
　この時、親父たちは気付いていなかったが、一匹の魔物が目覚めて奇跡的に親父たちの魔の手から逃れていた。
　後に唯一の生存者は「異臭を放つ鳥の化け物に襲われた」と語る。
こうして、親父たちの悪行は後世に脚色されて語り継がれていくことになるのだった。