異世界親父騒動記

番外編

番外編 親父たちのバレンタイン

「読者の皆様、こんにちわもしくはこんばんわ。司会担当の冒険者パーティードリフターのリーダーをやっております村正です。もうすぐバレンタインですね。バレンタインデーは、外国では一般的に恋人や家族など大切な人に贈り物をするものですが、日本では1958年（昭和33年）ごろから始まった百貨店と菓子店が考えた商法です。そこで今回の番外編のテーマは「バレンタイン」をテーマにお送りしようと思います。どうぞお楽しみください」

「では、トップバッターは酔っぱらいのブドウです！結果がわかっていますが、行ってみましょう！」
　そう言って村正はスタンバイしているブドウをハリセンで叩いた。
「何をするんだ！村正！」
「結果がわかっているから、先にツッコミを入れた！」
「結果がわかっているって、何がわかっているんだ！」
「アルコールの入ったチョコを用意していたんだろ！」
「失礼な！アルコールの入ったチョコを用意なんかしていない！」
「では、何を用意していたんだ！」
「酒だ！」
　その言葉を聞いて、村正はハリセンでもう一度ブドウを叩き、その場を後にした。

「読者の皆様。大変の見苦しい所を見せて申し訳ありません。ブドウはいいかげんに読者の中には未成年がいることに、いつ気づくんでしょうか？では気を取り直して、次は影です！」
　そう言って、向かった村正が見たものは落ち込んでいる影だった。
「影！なぜ？そんなに落ち込んでいるんだ！」
「村正殿！今回のテーマはバレンタインで間違いないでござるか？」
「そうだが、それがどうかしたのか？」
「ここ十年程、妻からも、娘からも一度もチョコを貰った事がないでござる！」
「安心しろ影。拙者も同じだ！」
「村正殿!!」
「影!!」
　お互いを慰めあう村正と影であった。

親父たちの反省会
教授「うむ、何所かで見た光景のような気にするんだが、気のせいだろうか？」
軍曹「番外編　親父たち、父になるで、同じ光景がありました！」
村正「人の痛みを理解できる大人になれないのか―――!!!」
影「その通りでござる―――!!!」
ブドウ「それなら、まずハリセンで殴られたワシに謝るのがすじだろう！」
ブドウ以外の親父たち「…………」
ブドウ「無視するな―――！」