異世界親父騒動記

番外編

番外編 親父たちの成人式

「読者の皆様、こんにちわもしくはこんばんわ。司会担当の冒険者パーティードリフターのリーダーをやっております村正です。今日は成人の日。よって今回の番外編は成人をテーマに送りたいと思います。どうぞお楽しみください」
　村正が移動した先には正装した軍曹がいた。
「それが軍曹の成人のテーマなのか？」
「肯定であります！これは自分が成人した時に父がある職人さんに頼んでオーダーメイドで作ってもらった服であります！」
「ずいぶん奮発したんだな！では次に行きましょう！」
　村正はツッコミを入れることなく、次に向かった。
　向かった先には、紋付きはかま姿の教授がいた。
「教授が和服とは意外だったな！」
「うむ、海外生活が長いから和服は意外かもしれないが、日本にいた時はよく着ていたんだよ！」
「それで成人式に出たのか？」
「うむ、一人だけ和服だったから浮いていたよ！」
「…………」
　何も言えなくなった村正は無言でその場を離れた。
「大変気まずい雰囲気になりましたが、次は影の成人を見たいと思います！って影！どうしたんだ？」
　そこには忍び装束でうずくまっている影の姿があった。
「村正どの！困ったことになったでござる！」
「困ったって、何が？」
「成人の日の思い出が何もないでござる！」
「成人式に参加しなかったのか？」
「成人式どころか、山に篭って忍術の修業をしていていた為に、春が来るまで忘れていたんでござる！」
「…………」
　また村正は無言で移動した。
「人によって様々な色々な思い出がある成人の日ですね。では皆様も……」
「ちょっと、まった！」
　村正が締めようとした所にブドウが横槍をいれてきた。
「なんで！ワシには聞かないんだ！」
「だって、酒だろ！」
「酒でござる！」
「うむ、酒だね！」
「肯定であります！」
「なんだ！その回答は、まるでワシが酒で失敗したような言い方だな！」
「絶対失敗したんだろ！」
「失敗したでござる！」
「うむ、失敗したんだね！」
「肯定であります！」
「…………」
　ブドウは無言になった。
　その様子から親父たちは何かを察した。

村正「新成人の皆様も酒は飲んでも飲まれないようにね！」
影「ハメを外さないことでござる！」
教授「うむ、そのとおりだよ！」
軍曹「肯定であります！」
ブドウ「ワシを無視するなーーーーーーーーー！」