異世界親父騒動記

マサカド

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第五章 親父たちと砂漠

親父たちと墓

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前回までのあらすじ
道に迷い、盗賊達からラクダもどきを
した親父たちは東に向かって、進んだ。

 親父たちは上を見上げていた。
「でかいな!」
「確かに大きいな!」
「うむ、巨大だね!」
「でかいすぎるでござる!」
「肯定であります!」
 親父たちの見つめる先にあるのは、エジプトの観光名所であるピラミッド。
 ただし、ただのピラミッドではない。
 親父たちの言った通り通常の十倍の大きさを誇る巨大なピラミッドだった。
 そんな巨大なピラミッドが親父たちの目の前にあった。
「ラクダもどきに乗って東に向かってみれば……」
「砂嵐に巻き込まれ……」
「何所かわからない場所にきてしまった……私達が見た物は……」
「巨大なピラミッドござる!」
「肯定であります!」
 親父たちはそんなピラミッドを呆然と見詰めながら、これからどうしようか?
 思案を巡らせていた。
「ラクダもどきは?」
「わしらを振り落とした後、どこかに行った!」
「うむ、つまり今の私たちには……」
「移動手段がないでござる!」
「肯定であります!」
「じゃあ、現在の場所は?ここにピラミッドがあるから元いた世界で言う所の王家の谷なのか?」
「うむ、それ違うと思うよ!村正君!」
「なぜだ?教授!」
「うむ、ここが王家の谷なら、他にもピラミッドがないと、おかしくないか?我々が目視した範囲内にその存在は確認できないし、仮に我々の目の届かない死角にピラミッドが存在していたとしても、これ程巨大な建造物が見えないのはおかしくないかね?」
「た、確かにそうだな!」
「普通に考えれば、こんな巨大な建造物があること自体おかしいでござる!」
「肯定であります!」
「でも、ここに存在するでござる!」
 この後も親父たちはそれぞれ意見を言ったが決定打にはならず、最終的には「ピラミッド内部に入ってみよう!」と決定し、入口を探し始めた。
「こっちにはないな!」
「上の方はなかったでござる!」
「うむ、こっちにもなかったよ!」
「右に同じであります!」
「あったぞ!」
 ブドウの声がする方に向かう親父たち。
 そこには確かに入口らしきものがあった。
「これ!あからさますぎないか?」
「うむ、村正君の言うとおり、確かに怪しいね!」
「怪しいでござる!」
「右に同じであります!」
「じゃあ、中に入るのやめるか?」
「「「「入る(でござる)!!」」」」
 こうして親父たちはピラミッドの中に入った。
 この時、親父たちは気づかなかった。
 この巨大なピラミッドはお墓ではなく、ダンジョンであることに……気づいたのは、だいぶ経ってからであった。
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