161 / 274
第三章 親父たちの航悔(航海?)
親父たちの航海四日目 夜
しおりを挟む
前回までのあらすじ
豪華客船ダメダニック号から手作りの船。
操舵丸で、無事(?)脱出した親父たちだが……。
親父たちは夜空の星を見上げていた。
「夜空だな!」
「夜空でござる!」
「うむ、星がよく見える!」
「肯定であります!」
「……み、みんな……そろそろ現実逃避……やめないか?」
村正のツッコミをよそに親父たちは天体観賞という名の現実逃避をしていた。
なぜ!こんなことになったかというと、操舵丸(操舵室)の羅針盤がダメダニック号から発射された衝撃で壊れたからだ。
そのため方向がわからずに、夜空の星を見つめて現実から逃げていた。
「村正どの!空気を読んで欲しいでござる!」
「空気を読めよ!村正!」
「肯定であります!」
「うむ、我々は朝日が昇るのを待つしか、方向を知る術がないのだから!」
「じゃあ、なんで夜空を見上げているんだ?朝日を昇るのを待っているのなら、眠ればいいじゃないか?」
「「「「……………………」」」」」
村正の正論に親父たちは黙る。
「ま、まさか……気づいてなかったってことは……」
「自分は観測していたんであります!」
「うむ、そうなのだよ!」
「星を観測していたんでござる!」
「右に同じ!」
軍曹以外の親父たちの言い訳を疑いの目で見る村正。
疑いの矛先を変えるために、親父たちは強引にダメダニック号の乗員たちの話をし始めた。
「しかし、船乗りが沈みゆく船を見捨てて逃げ出すなんて!問題じゃないのか?」
「まったく、その通りでござる!」
「肯定であります!」
「うむ、まちがいなく刑事責任を問われるだろうね!」
「教授!」
「うむ、何かね?村正くん!」
「ここは異世界だから、我々の知っている国際海事協定は通じないと思うんだが……」
村正は教授に突っ込みを入れた。
親父たちは知らなかったが、この時、ダメダニック号の乗員乗客たちは近くにいた船に全員が救助されたのだが、乗員と乗客の間には見えない壁があったのは言うまでもなかった。
親父たちの漂流は続く。
ダメダニック号の被害報告書
豪華客船ダメダニック号。航海四日目の昼にクラーケンと遭遇。
乗員が乗客を置いて、逃亡。
その後、乗客たちは自力で避難。
近くにいた船に救助されるが、乗員と乗客たちの間で修羅場が起こった。
クラーケンによる被害は、ダメダニック号の半壊と、五名の行方不明者。
船会社は乗客たちに集団で訴えられ、倒産。
五名の行方不明者リスト。
村正
ブドウ
教授
軍曹
影
第三章 親父たちの航悔(航海?) 完
豪華客船ダメダニック号から手作りの船。
操舵丸で、無事(?)脱出した親父たちだが……。
親父たちは夜空の星を見上げていた。
「夜空だな!」
「夜空でござる!」
「うむ、星がよく見える!」
「肯定であります!」
「……み、みんな……そろそろ現実逃避……やめないか?」
村正のツッコミをよそに親父たちは天体観賞という名の現実逃避をしていた。
なぜ!こんなことになったかというと、操舵丸(操舵室)の羅針盤がダメダニック号から発射された衝撃で壊れたからだ。
そのため方向がわからずに、夜空の星を見つめて現実から逃げていた。
「村正どの!空気を読んで欲しいでござる!」
「空気を読めよ!村正!」
「肯定であります!」
「うむ、我々は朝日が昇るのを待つしか、方向を知る術がないのだから!」
「じゃあ、なんで夜空を見上げているんだ?朝日を昇るのを待っているのなら、眠ればいいじゃないか?」
「「「「……………………」」」」」
村正の正論に親父たちは黙る。
「ま、まさか……気づいてなかったってことは……」
「自分は観測していたんであります!」
「うむ、そうなのだよ!」
「星を観測していたんでござる!」
「右に同じ!」
軍曹以外の親父たちの言い訳を疑いの目で見る村正。
疑いの矛先を変えるために、親父たちは強引にダメダニック号の乗員たちの話をし始めた。
「しかし、船乗りが沈みゆく船を見捨てて逃げ出すなんて!問題じゃないのか?」
「まったく、その通りでござる!」
「肯定であります!」
「うむ、まちがいなく刑事責任を問われるだろうね!」
「教授!」
「うむ、何かね?村正くん!」
「ここは異世界だから、我々の知っている国際海事協定は通じないと思うんだが……」
村正は教授に突っ込みを入れた。
親父たちは知らなかったが、この時、ダメダニック号の乗員乗客たちは近くにいた船に全員が救助されたのだが、乗員と乗客の間には見えない壁があったのは言うまでもなかった。
親父たちの漂流は続く。
ダメダニック号の被害報告書
豪華客船ダメダニック号。航海四日目の昼にクラーケンと遭遇。
乗員が乗客を置いて、逃亡。
その後、乗客たちは自力で避難。
近くにいた船に救助されるが、乗員と乗客たちの間で修羅場が起こった。
クラーケンによる被害は、ダメダニック号の半壊と、五名の行方不明者。
船会社は乗客たちに集団で訴えられ、倒産。
五名の行方不明者リスト。
村正
ブドウ
教授
軍曹
影
第三章 親父たちの航悔(航海?) 完
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた
楠富 つかさ
恋愛
ある朝、目覚めたら女の子になっていた主人公と主人公に恋をしていたが、女の子になって主人公を見て百合に目覚めたヒロインのドタバタした日常。
この作品はハーメルン様でも掲載しています。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/entertainment.png?id=2f3902aa70cec36217dc)
男女比がおかしい世界に来たのでVtuberになろうかと思う
月乃糸
大衆娯楽
男女比が1:720という世界に転生主人公、都道幸一改め天野大知。 男に生まれたという事で悠々自適な生活を送ろうとしていたが、ふとVtuberを思い出しVtuberになろうと考えだす。 ブラコンの姉妹に囲まれながら楽しく活動!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる