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第三章 親父たちの航悔(航海?)
親父たちの航海二日目
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前回までのあらすじ
新たなる大陸に向かうために船に乗った親父たち、しかし彼らの前には「船酔い」という強敵の前に村正とブドウが倒れた。
朝
親父たちを乗せた豪華客船「ダメダニック号」は航海二日目の朝を迎えていた。
船のデッキでは朝日を背にラジオ体操する親父たち。
「うむ、朝日と共にラジオ体操するのは気持ちがいいものだね!」
「肯定であります!」
「気持ちはいいが、わしらはなぜラジオ体操をしているんだ!」
「運動不足解消のためでござるよ!」
「運動不足解消なのはわかるが、拙者ら白い目でみんなに見られているんだが……」
村正の言うとおり、デッキにいた船員と客たちは、「こいつら、何をしているんだ?」という眼差しで見ていた。
この後、ラジオ体操は第三まで続き、その間、村正以外の親父たちは周りからの白い視線を気にすることなく体を動かすのだった。
「うむ、では朝ごはんを食べる事にしよう」
「了解であります!」
「どんな料理がでるのか、楽しみでござる!」
「食前酒はでるのか?」
「……ブドウ……酒は出ないと思うんだがな……」
こうして親父たちは何事もなかったように、朝ごはんを食べるために食堂に向かった。
白い目で親父たちを見ていた人たちは、親父たちのあまりにもマイペースな行動に驚きと共に「関わらない方が身のためだ」と本能的に理解するのだった。
昼
親父たちは、それぞれ別行動していた。
目的は船の内部構造の把握である。
村正とブドウのコンビは娯楽室に入ろうとしたが、入れなかった。
「予想はしていたが、想像以上だったなブドウ」
「わしの酒が…………」(泣)
「仕方ないだろう……一等客室以上の客しか使用できないんだから、しかも酒は有料だったんだ!あきらめろ」
「で、でも目の前にあるのに……手を伸ばせば、そこにあるのに……」
酒をあきらめきれないブドウに対して、村正はブドウの襟首を掴んで引きずりながら、その場を後にした。
教授と軍曹のコンビは機関室に向かっていた。
理由は機械工学専門の教授が船の動力部がどうなっているのか知りたい為だったのだが、機関室には行けなかった。
「うむ、軍曹君」
「何でありますか?教授!」
「どうやら、我々は道に迷ってしまったようだ!」
「肯定であります!」
教授と軍曹は船底の倉庫で迷子になっていた。
この後、二時間かけて、倉庫と言う名の迷宮から脱出した。
影は単独行動で、船長室にいた。
隠密行動に長けた忍びならでは行動で、航海日誌を見ていたが、そこに書かれていた内容に影は困惑した。
「○月×日。A室の夫婦の夫がB室の夫婦の妻に会うためにB室に言った。二時間後、A室の夫が出てきた時、石鹸の匂いが漂っていたって、これ浮気の証拠でござる!というか?航路等の記録がまるでないでござる!」
ゴシップ記事を専門にしているジャーナリストなら喜んで、コレの価値を理解するだろうが、影には関係ない話である。
この後、影は色々と物色するのだが、肝心の航海についての情報は得られないかった。
夜
親父たちは部屋で情報のすり合わせをしていた。
「この船は豪華客船と言うだけあって、カジノや劇場などの娯楽が揃っていることがわかった!ただし一等客室の金持ちしか使えない!」
村正はほとんど情報を得られなかった事をみんなに話していた。
「うむ、こちらも船底の倉庫を探索したが、これと言って情報はなかったね!」
「肯定であります!」
教授と軍曹は倉庫を探索していたと自分達が道に迷った事を否定するかのように言い放った。
「こちらも情報は得られなかったでござる!」
影は船長室で見た不倫の証拠となるノートの話を親父たちに聞かせた。
「うむ、これはまずい事になったな!」
「何が、まずい事なんだ?教授!」
「うむ、二つある!一つはそこで水を飲みながら酔っ払ったふりをしているブドウ!」
親父たちの視線はベッドの上で水を飲みながら愚痴をこぼしているブドウを見た。
「確かにまずい事ことになっているな!」
「たちの悪いクレーマーになっているでござる!」
「肯定であります!」
この後の親父たちの行動は速かった。
素早くブドウを簀巻きにして、眠り薬を嗅がせて、強制的に眠らせた。
「で、教授!もう一つのまずい事はなんだ?」
「うむ、この船の航路上にモンスターが出るそうなんだよ!」
「モンスターでありますか?」
「うむ、悪魔でも噂程度なのだが、もしかしたら遭遇するかも知れない」
「船の名前からそれは十分あり得る話でござる」
「それなら、明日はモンスターに遭遇した時のための道具、もしくは船が沈む時のための脱出する為の材料を探すのはどうだろう!」
村正の一言に、寝ているブドウを除いた親父たちは賛成した。
「うむ、賛成だ!」
「了解であります!」
「わかったでござる!」
こうして親父たちの航海二日目が終わった。
新たなる大陸に向かうために船に乗った親父たち、しかし彼らの前には「船酔い」という強敵の前に村正とブドウが倒れた。
朝
親父たちを乗せた豪華客船「ダメダニック号」は航海二日目の朝を迎えていた。
船のデッキでは朝日を背にラジオ体操する親父たち。
「うむ、朝日と共にラジオ体操するのは気持ちがいいものだね!」
「肯定であります!」
「気持ちはいいが、わしらはなぜラジオ体操をしているんだ!」
「運動不足解消のためでござるよ!」
「運動不足解消なのはわかるが、拙者ら白い目でみんなに見られているんだが……」
村正の言うとおり、デッキにいた船員と客たちは、「こいつら、何をしているんだ?」という眼差しで見ていた。
この後、ラジオ体操は第三まで続き、その間、村正以外の親父たちは周りからの白い視線を気にすることなく体を動かすのだった。
「うむ、では朝ごはんを食べる事にしよう」
「了解であります!」
「どんな料理がでるのか、楽しみでござる!」
「食前酒はでるのか?」
「……ブドウ……酒は出ないと思うんだがな……」
こうして親父たちは何事もなかったように、朝ごはんを食べるために食堂に向かった。
白い目で親父たちを見ていた人たちは、親父たちのあまりにもマイペースな行動に驚きと共に「関わらない方が身のためだ」と本能的に理解するのだった。
昼
親父たちは、それぞれ別行動していた。
目的は船の内部構造の把握である。
村正とブドウのコンビは娯楽室に入ろうとしたが、入れなかった。
「予想はしていたが、想像以上だったなブドウ」
「わしの酒が…………」(泣)
「仕方ないだろう……一等客室以上の客しか使用できないんだから、しかも酒は有料だったんだ!あきらめろ」
「で、でも目の前にあるのに……手を伸ばせば、そこにあるのに……」
酒をあきらめきれないブドウに対して、村正はブドウの襟首を掴んで引きずりながら、その場を後にした。
教授と軍曹のコンビは機関室に向かっていた。
理由は機械工学専門の教授が船の動力部がどうなっているのか知りたい為だったのだが、機関室には行けなかった。
「うむ、軍曹君」
「何でありますか?教授!」
「どうやら、我々は道に迷ってしまったようだ!」
「肯定であります!」
教授と軍曹は船底の倉庫で迷子になっていた。
この後、二時間かけて、倉庫と言う名の迷宮から脱出した。
影は単独行動で、船長室にいた。
隠密行動に長けた忍びならでは行動で、航海日誌を見ていたが、そこに書かれていた内容に影は困惑した。
「○月×日。A室の夫婦の夫がB室の夫婦の妻に会うためにB室に言った。二時間後、A室の夫が出てきた時、石鹸の匂いが漂っていたって、これ浮気の証拠でござる!というか?航路等の記録がまるでないでござる!」
ゴシップ記事を専門にしているジャーナリストなら喜んで、コレの価値を理解するだろうが、影には関係ない話である。
この後、影は色々と物色するのだが、肝心の航海についての情報は得られないかった。
夜
親父たちは部屋で情報のすり合わせをしていた。
「この船は豪華客船と言うだけあって、カジノや劇場などの娯楽が揃っていることがわかった!ただし一等客室の金持ちしか使えない!」
村正はほとんど情報を得られなかった事をみんなに話していた。
「うむ、こちらも船底の倉庫を探索したが、これと言って情報はなかったね!」
「肯定であります!」
教授と軍曹は倉庫を探索していたと自分達が道に迷った事を否定するかのように言い放った。
「こちらも情報は得られなかったでござる!」
影は船長室で見た不倫の証拠となるノートの話を親父たちに聞かせた。
「うむ、これはまずい事になったな!」
「何が、まずい事なんだ?教授!」
「うむ、二つある!一つはそこで水を飲みながら酔っ払ったふりをしているブドウ!」
親父たちの視線はベッドの上で水を飲みながら愚痴をこぼしているブドウを見た。
「確かにまずい事ことになっているな!」
「たちの悪いクレーマーになっているでござる!」
「肯定であります!」
この後の親父たちの行動は速かった。
素早くブドウを簀巻きにして、眠り薬を嗅がせて、強制的に眠らせた。
「で、教授!もう一つのまずい事はなんだ?」
「うむ、この船の航路上にモンスターが出るそうなんだよ!」
「モンスターでありますか?」
「うむ、悪魔でも噂程度なのだが、もしかしたら遭遇するかも知れない」
「船の名前からそれは十分あり得る話でござる」
「それなら、明日はモンスターに遭遇した時のための道具、もしくは船が沈む時のための脱出する為の材料を探すのはどうだろう!」
村正の一言に、寝ているブドウを除いた親父たちは賛成した。
「うむ、賛成だ!」
「了解であります!」
「わかったでござる!」
こうして親父たちの航海二日目が終わった。
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