異世界親父騒動記

第三章 親父たちの航悔（航海？）

親父たちの航海一日目

親父たちの航海一日目
　親父たちを乗せた豪華客船「ダメダニック号」は順調に航海していた。
　だが、親父たちは後悔していた。
　なぜ後悔していたかと、言うと。
「「オエーーーーーーーー」」
　船のデッキの上で村正とブドウは海に向かって吐いていた。
「大丈夫でござるか？村正殿！ブドウ殿！」
「しっかりするであります！」
　そう言って、影と軍曹が二人の背中を擦っていた。
「うむ、一息ついたと思ったら、二人とも船酔いになるとは、我々の旅はトラブル続きだね！」
　そんな教授の感想に、親父たちの誰もツッコミを入れない。
　正確にはツッコミを入れる暇がないほど、村正とブドウは船酔いに苦しみ、影と軍曹はそんな二人を介抱していた為に、ツッコミ役がいない状態であった。
　この後、村正とブドウの船酔いは影が作った即席の酔い止めの薬で吐き気だけは治まるのだが、今度は薬の副作用で下痢になり、また違う意味で後悔するのだった。

　その日の夜。
とある三等客室に親父たちはいた。
「ひどい目に合った！」
「ケツが痛い！」
　二段ベットの下の方で愚痴をこぼす村正とブドウ。
「うむ、二人の尻も問題だが、今問題にすべきことは四人部屋なのに五人で寝なければらないことなのだが……？」
「肯定であります！」
　そう二段ベットの中央にはハンモックがぶら下がっていた。
「うむ、誰かがハンモックで寝なければならないようだね！」
　誰がハンモックで寝るのかが問題であった。
　村正とブドウの二人は体調不良の為、除外され、教授、軍曹、影の誰かがハンモックで寝なければ、ならない状況の中で、三人はクジで決めることになった。
　クジの結果、影がハンモックを使うことになった。
「うむ、影君！大丈夫かね？」
「大丈夫でござるよ！山で修行していた時に比べれば、快適でござるから、心配しなくて、いいでござるよ！」
「うむ、何も問題ないようだね！では、私たちも休むことにしよう！」
「了解であります！」
　こうして、親父たちの航海一日目は終了した。