異世界親父騒動記

第二章 親父たち大陸横断する

親父たち、対戦する（村正VSウォーギャレット）3

　村正はウィルことウォーギャレットと対峙していた。
　ウォーギャレットは手錠をヌンチャクのように振り回し、対する村正はアイテムボックスから木刀を取り出した。
お互いにらみあった瞬間、相手に向かって突撃した。
　両者とも防御も考えずに木刀と手錠による打撃の連打を繰り出した。
　三分後。
　村正もウォーギャレットも原型がわからないほど顔がボコボコになっていたが、目の内にある闘志は少しも衰えることはなく相手を「倒す」という名の炎を燃やしていた。
　次の一撃で決めるシーンだが、そうはならなかった。
　村正とウォーギャレットがにらめっこの様に相手しか見てない為、自分の対戦相手を倒した影が後ろからウォーギャレットの後頭部を棍棒によるフルスイングで攻撃。
　不意打ちを食らったウォーギャレットはあっさりと倒れた。
「拙者のがんばりは……？」
　村正はそう答えるだけで精一杯だった。
　第三者がいれば、勝負に水をさすなとツッコミをいれるだろうが、皮肉にもそんなことを言ってくれる第三者いなかった。