異世界親父騒動記

マサカド

文字の大きさ
上 下
100 / 284
番外編

番外編 親父たちのオヤジピック クレー射撃

しおりを挟む
「読者の皆様、こんにちわもしくはこんばんわ。司会担当の冒険者パーティードリフターのリーダーをやっております村正です。今回のオヤジピックはクレー射撃をやってみたいと思います。どんな結果になるか、どうぞお楽しみください」

とある某所
 親父たちはクレー射撃をする為の準備をしていたが、一人だけ納得していない者がいた。
 冒険者パーティービリフターのリーダーにして、ツッコミ役の村正であった。
「教授!」
「うむ、なんだね?村正君!」
「本当にクレー射撃するのか?」
「うむ、いまさら何を言っているんだね!せっかくクレー投射機も作って、後は射撃をするだけなのに、何か問題でもあるのかね?」
「拙者らが持っているのが、散弾銃ではなく、パチンコの時点で充分問題だと思うんだが……」
「うむ、スリリングショットだよ!村正君」
「影にいたっては手裏剣!!」
「忍者でござる!」
 村正のツッコミに影は気にしていないらしく、即答した。
「それになんで教授一人だけ、まともな散弾銃をもっているんだ?」
「うむ、手持ちの材料と道具で一丁しか作ることができなかったんだよ!」
「フェアプレイの精神に反すると思うんだがな」
「うむ、ではクレー射撃の前に皆に今回のルールを説明しよう!」
 村正のツッコミをスルーする教授。
「うむ、今回のクレー射撃はオリンピックや公式競技とはルールがまるで違う。理由はクレー射撃をやるためのフライングディスクが五十枚しか用意できなかった。よって一人十枚のフライングディスクをいくつ当てられるかを競うことにする。何か質問はあるかね?」
 村正は無言で手を上げた。
「うむ、では試合開始とする」
 村正はまたもスルーされた。

 親父たちはそれぞれの定位置で射撃体勢をとり、スタート。
 クレー射撃は開始された……が、誰一人として当てることはできなかった。
 原因は教授が作ったクレー投射機。
 本来なら一枚ずつ投射されるフライングディスクが一度に十枚すべて四方八方あらゆる方向へと射出された。
「だから、心配したんだ!」
「村正殿がさっき手を上げたのは、これが理由だったんでござるか?」
「この事を予測するとは、やるな」
「当たり前だブドウ!これまで教授の作ったものが故障しなかったことがあったか!」
「肯定であります」
 親父たちの感想をよそに教授は手に持ったパイプに火を点けた。
「うむ、諸君!試合を再開しよう!」
「教授!フライングディスクが無いのに試合を再開するなんて、ボケたのか?」
「うむ、ボケていないよ!次善策を用意しておいたから心配いらないよ!」
「いつの間に!」
「用意がいいでござる!」
「肯定であります!」
 ブドウ、影、軍曹の教授に対する信用株は上がったが、村正だけは別だった。
「きょ、教授!フライングディスクの代わりになる物なんてあるのか?」
 教授は手に持ったパイプをある方向へと向けた。
「教授、あっちの方向にフライングディスクの代わりになる物があるのか?鳩しかいないんだが?」
「うむ、あの鳩をフライングディスクの代わりにする!」
「「「「何(でござる)!!」」」」
「うむ、クレー射撃は昔は生きた鳩を放して標的としていたんだよ!何の問題もあるまい!」
 教授の言葉に親父たちは全員動いた。
 ブドウは教授にあて身をくらわせ、影は教授をロープでミイラにし、村正と軍曹はロープミイラになった教授を担いで、明後日方向へ走り去った。
 こうしてオヤジピックのクレー射撃は終わった。

村正「通報されるところだった!」
影「間一髪だったでござる!」
ブドウ「動物虐待で訴えられるところだった!」
軍曹「肯定であります!」
教授「…………」(ロープミイラと化しているために何も言えない)
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

処理中です...