異世界親父騒動記

マサカド

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番外編

番外編 親父たちのオヤジピック 十種競技

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「読者の皆様、こんにちわもしくはこんばんわ。司会担当の冒険者パーティードリフターのリーダーをやっております村正です。今回のオヤジピックは十種競技の中の競技のいくつかをメンバー全員で挑戦したいと思います。どんな結果になるか、どうぞお楽しみください」

 親父たちは、元いた世界で言うところのセントラルパークにいた。
 十種競技の最初は槍投げ。
 最初の挑戦者はブドウ。
「始めるぞ!新記録をたたき出してやる!」
 そう言って、ブドウが槍を持ち、構えた所で、ブドウの前を槍を持った男が横切って走っていた。
 いきなりの出来事に親父たちは驚いたが、その後を追うように女がブドウの前を横切って走っていた。
「今のは何だったんでござるか?」
「槍男が逃げて、女が追いかけて行ったようだが…………」
「うむ、男と女と言えば…………」
「ストップ!それ以上思考を巡らせない。槍投げは中止する」
「肯定であります!」
 疑問に思った影、ブドウ、教授をよそに村正と軍曹は何かを察して槍投げは中止になった。

第二種目 砲丸投げ
「軍曹!」
「なんでありますか?」
「これって?」
「砲丸投げの砲丸でありますが、それが何か?」
「どう見ても大砲の弾だろうがコレ!」
「うむ、大砲の弾だね!」
「弾でござる!」
「軍曹!!戦争でもする気か?」
「問題ないであります!」
「「「「絶対問題なる(でござる)!!」」」」
 親父たちの必死の説得により砲丸投げの中止になった。

第三種目 円盤投げ
「今度こそ、まともに競技ができるよな!」
「うむ、心配いらないよ村正君!」
「この円盤は木製だ!」
「円盤というよりフリスビーに近いでござる」
「肯定であります!」
 こうして円盤投げが始まったのだが、親父たち全員が投げるのが下手で円盤は予期せぬ方向へと飛び去ってしまった。
「誰ひとりとして、まともに投げられないとは!」
「うむ、予想外だったね!」
「肯定であります!」
「手裏剣ならうまく投げられんでござるが!」
「どうも、手元が狂うな!」
 こうして親父たちの十種競技は終わった。
 しかし話はそれで終わりではなかった。
 親父たちの投げた木製円盤の一つがとある老人の足に当たり、転倒。
 そのまま帰らぬ人となったのだ。
 その老人はネオヨークの裏社会を牛耳るゴッドファーザー。
 彼が死んだことにより、跡目騒動でネオヨークの治安は乱れるのだが、親父たちはそのことに気付かなかったのだ。

教授「円盤が当たって亡くなるとは、まるでペルセウスみたいだね!」
村正「教授!何でギリシャ神話の英雄ペルセウスなんだ?」
教授「ペルセウスは円盤投げで祖父のアクリシオスを殺してしまったんだよ」
影「そんなことがあるんでござるか?」
教授「あくまで事故であって殺意があったわけではないけどね」
ブドウ「悲劇だな!」
軍曹「肯定であります!」
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