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番外編
番外編 親父たちのオヤジピック 柔道
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「読者の皆様、こんにちわもしくはこんばんわ。司会担当の冒険者パーティードリフターのリーダーをやっております村正です。オリンピックで日本と言えば柔道を連想される方も多いと思われます。そこで今回は柔道を我らドリフター全員で挑戦したいと思います。どんな結果になるか、どうぞお楽しみください」
親父たちは、元いた世界で言うところのクイーンズ区のある建物の屋上にいた。
ここでオヤジピックの柔道が行われる。
柔道着に着替えた軍曹と影。
審判は村正。
実況はブドウ。
解説は教授が担当することなったのだが、教授には一つの疑問があった。
「うむ、実況のブドウ君。一つわからないことがあるのだが?」
「何ですか?解説役の教授!」
「うむ、なぜ柔道有段者である君と同じく有段者である村正君が柔道をしないのかね?」
「それはわしも村正も前回の100m走で軍曹の爆発物によって受け身もとれずに吹っ飛ばされたことによる怪我が原因だ!」
「うむ、私が気を失っている間に一体何があったんだ?それは間違いなく100m走なんだよね?」
教授はブドウに対してツッコミを入れている間に、試合は開始されたが、軍曹も影も動かなかった。
「一体二人はどうしたんでしょうか?開始されてから微動だにしません」
「うむ、二人ども動かないじゃなくて、動けないんだよ!」
「と、いいますと」
「うむ、こういった状況では先に動いた方が負けなんだよ。だから二人とも相手が動くのを待っているのさ」
「しかし、あの二人の性格を考えれば、時間切れで試合終了になるまで動かない可能性が高いと思いますが?」
「うむ、その心配ならいらないよ。あの二人の性格を考えれば、必ずなんらかの成果をあげることを信条としているから、この状況を打開するために動くさ」
教授の言うとおり、この状況を打開するために影が動いた。
「忍法分身の術でござる!」
軍曹の目の前に三人の影が現れて突進してきた。
「か、影が三人になった!」
「うむ、私の言った通りになっただろ」
「でも、教授!これって反則じゃないのか?」
「柔道のルールブックを一通り読んだが、分身してはいけないと書かれていなかったよ」
「そういう問題じゃない!」
ブドウと教授がボケとツッコミをしている間にも影は軍曹に向かって一本を取ろうと三人で連携して襲いかかる。
「うむ、ジェッ○ストリームアタック!」
「教授!言うな!それ言ったら著作権の問題に引っかかるから!」
第三者がいれば柔道の試合ではなく、実況のブドウと解説者の教授のやり取りの方が気になる光景が繰り広げられていた。
そんな二人を蚊帳の外に置いて、軍曹と影の試合は続く。
影の分身攻撃を軍曹は紙一重でかわし続けている。
攻撃にしても避けられる影。
回避に専念して攻撃できない軍曹。
お互いに決定打がないの状況に両者の焦りが見え始めていた。
「分身の術をかわすとは、やるではないでござるか!軍曹殿!」
「お互いさまであります!」
お互いに笑った。
次の一撃で決着がつく瞬間に空気を読まない乱入者が現れた。
「こら!貴様ら、人の縄張りで何しているんだ?」
この辺りを縄張りにしているストリートギャングまたの名をチンピラ。
乱入者は軍曹と影に近付いていく。
こう言った時に審判役の村正が乱入者を止めなければならないのだが、村正はなぜか動かなかった。
そして乱入者が軍曹に触れようとした瞬間。
乱入者の頬に軍曹の裏拳がさく裂した。
よろける乱入者。
軍曹と影はお互いに距離をとり、拳による連打を繰り出したが、その拳は相手に当たらず、すべて両者の間にいた乱入者に当たり、乱入者はボロぞうきんにようなって倒れた。
それと同時に審判役である村正が両者に「失格!」とだけ言って試合は終了した。
「あ、あっけない幕切れ!両者が失格なのはわかりますが、なぜ乱入者を審判役の村正は止めなかったんですかね?解説者の教授さん!」
「うむ、おそらく審判役の村正君は本能的に危険を察知して、あの乱入者をスケープゴートにしたんだよ。そうしないと彼があの倒れた乱入者と同じ目にあっていたらね」
「なるほど!では、次回のオヤジピックをお楽しみください」
親父たちは、元いた世界で言うところのクイーンズ区のある建物の屋上にいた。
ここでオヤジピックの柔道が行われる。
柔道着に着替えた軍曹と影。
審判は村正。
実況はブドウ。
解説は教授が担当することなったのだが、教授には一つの疑問があった。
「うむ、実況のブドウ君。一つわからないことがあるのだが?」
「何ですか?解説役の教授!」
「うむ、なぜ柔道有段者である君と同じく有段者である村正君が柔道をしないのかね?」
「それはわしも村正も前回の100m走で軍曹の爆発物によって受け身もとれずに吹っ飛ばされたことによる怪我が原因だ!」
「うむ、私が気を失っている間に一体何があったんだ?それは間違いなく100m走なんだよね?」
教授はブドウに対してツッコミを入れている間に、試合は開始されたが、軍曹も影も動かなかった。
「一体二人はどうしたんでしょうか?開始されてから微動だにしません」
「うむ、二人ども動かないじゃなくて、動けないんだよ!」
「と、いいますと」
「うむ、こういった状況では先に動いた方が負けなんだよ。だから二人とも相手が動くのを待っているのさ」
「しかし、あの二人の性格を考えれば、時間切れで試合終了になるまで動かない可能性が高いと思いますが?」
「うむ、その心配ならいらないよ。あの二人の性格を考えれば、必ずなんらかの成果をあげることを信条としているから、この状況を打開するために動くさ」
教授の言うとおり、この状況を打開するために影が動いた。
「忍法分身の術でござる!」
軍曹の目の前に三人の影が現れて突進してきた。
「か、影が三人になった!」
「うむ、私の言った通りになっただろ」
「でも、教授!これって反則じゃないのか?」
「柔道のルールブックを一通り読んだが、分身してはいけないと書かれていなかったよ」
「そういう問題じゃない!」
ブドウと教授がボケとツッコミをしている間にも影は軍曹に向かって一本を取ろうと三人で連携して襲いかかる。
「うむ、ジェッ○ストリームアタック!」
「教授!言うな!それ言ったら著作権の問題に引っかかるから!」
第三者がいれば柔道の試合ではなく、実況のブドウと解説者の教授のやり取りの方が気になる光景が繰り広げられていた。
そんな二人を蚊帳の外に置いて、軍曹と影の試合は続く。
影の分身攻撃を軍曹は紙一重でかわし続けている。
攻撃にしても避けられる影。
回避に専念して攻撃できない軍曹。
お互いに決定打がないの状況に両者の焦りが見え始めていた。
「分身の術をかわすとは、やるではないでござるか!軍曹殿!」
「お互いさまであります!」
お互いに笑った。
次の一撃で決着がつく瞬間に空気を読まない乱入者が現れた。
「こら!貴様ら、人の縄張りで何しているんだ?」
この辺りを縄張りにしているストリートギャングまたの名をチンピラ。
乱入者は軍曹と影に近付いていく。
こう言った時に審判役の村正が乱入者を止めなければならないのだが、村正はなぜか動かなかった。
そして乱入者が軍曹に触れようとした瞬間。
乱入者の頬に軍曹の裏拳がさく裂した。
よろける乱入者。
軍曹と影はお互いに距離をとり、拳による連打を繰り出したが、その拳は相手に当たらず、すべて両者の間にいた乱入者に当たり、乱入者はボロぞうきんにようなって倒れた。
それと同時に審判役である村正が両者に「失格!」とだけ言って試合は終了した。
「あ、あっけない幕切れ!両者が失格なのはわかりますが、なぜ乱入者を審判役の村正は止めなかったんですかね?解説者の教授さん!」
「うむ、おそらく審判役の村正君は本能的に危険を察知して、あの乱入者をスケープゴートにしたんだよ。そうしないと彼があの倒れた乱入者と同じ目にあっていたらね」
「なるほど!では、次回のオヤジピックをお楽しみください」
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