異世界親父騒動記

第二章 親父たち大陸横断する

親父たち、スペクター・リベンジャーズと対決する。

　親父たちとスペクター・リベンジャーズとの間には気まずい空気が流れていた。
　親父たちはスペクター・リベンジャーズのメンバーと面識は一応あったが、度重なる冒険の数々ですっかり忘れていた。
　一方のスペクター・リベンジャーズは復讐の燃えていたが、自分たちの事をすっかり忘れている親父たちに対して、どう怒りの矛先をぶつければいいか、わからなくなっていた。
お互いに動きたくても動けない状況を打破したのは、この中で一番若い全裸騎士だった。
「き、きさま！いったいどれだけ騎士の名誉を愚弄すれば気が済むんだ！」
　若い彼にはこの沈黙が耐えられなかったのだろう。
「ボーリング・ストライク！」
　親父たちに向かって転がりながら体当たりをしたが、親父たちは避けた。
　そのまま全裸騎士はどこかに行ってしまった。
「何だ！今のは？」
「転がりながら明後日の方向に行ったぞ！」
「ストライクどころかガーターだったでござる！」
「うむ、最近の若者の行動は読めないな！」
「肯定であります！」
　親父たちに言われ放題の全裸騎士。
　しかし、全裸騎士の行動によって残りのスペクター・リベンジャーズも動いた。
ジャック・マーヴィンことブラックパイソン伯爵は影を。
アーネスト・クリーフことホーク将軍は軍曹を。
ウィルことウォーギャレットは村正を。
そしてデストロイはブドウと教授の二人を対戦相手に選んだ。
「うむ、どうやら相手は我々と一対一の対戦を望んでいるようだな」
「この全身真っ黒な相手が対戦相手でござるか？」
「拙者はこの保安官の格好をした奴が相手？」
「肯定であります！」
「しかし、教授！それだと一人余ると思うのだが？」
「うむ、だから彼は私とブドウの二人を相手にすることを選んだようだね」
「二人同時に相手するなんて余程の自分に自信があるのか？それともただの馬鹿なのか？」
「うむ、他のみんなはともかく私には戦闘力がほとんどないから、二対一でも相手できると思ったんだろうね！」
「冒険者パーティードリフター！今こそ恨みを果たす」
　デストロイの言葉が開始のゴングになった。